久保開陸「Form guides functions. -超芸術トマソンに着目した設計プロセスの提案-」
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超芸術トマソンとは、赤瀬川原平氏らによって「不動産に付着していて、まるで展示するかのように美しく保存されている無用の長物」と定義されており、機能が無効化され形態のみが保存されているもののことである。
このトマソンは、過去・現在・未来といった複数の時間軸を内包しており、さらには人々の建築への精神的・肉体的な介入を促すアフォーダンス効果がある。
近代においてルイス・サリヴァンが残した"Form follows function(形態は機能に従う)"という言葉は、結果として建築における形態と機能の関係性を一義的なものに収束させた。
しかし、トマソンはそれとは反対に"Form guides functions"、つまり形態が先行することで多様な機能を発露させ建築にさらなる豊かさを与える。
そこで形態と機能が多義的な関係性を結ぶ豊かな建築を目指し、「超芸術トマソン」を設計プロセスで援用する。
今回設計対象を、トマソンとは対極に位置する合理性に基づき明快に作られた工業化建築の象徴である「セキスイハイムM1」に設定し、架空の敷地に以下のプロセスで集合住宅の設計を行う。
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講評:建築の工業性を象徴するセキスイハイムM1群を、ルービックキューブを回すようにシャッフルさせ、強制的に脱意味化させる極めて大胆な提案である。建築の形態が存在しうるための根拠性とは一体何なのか。この作品は私たちに「問い」を投げかけている。ここで示されたのは、廃墟が醸し出す魅力と同義なのかもしれない。(古澤)