三上光生「路地の心覚え」
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交通機関の発展、スマートフォンの普及、ネットショッピングの一般化など、利便性と効率性が加速していく一方で、私たちの“体験”は、日常から失われつつある。生活の中で“した”具体的な体験が、便利で効率的であるがゆえに薄れてゆき、記憶の中で“した”事が単なる“概念”にしかなり得ない状況が増えているのではないか?一日を振り返ると、具体的な記憶がほとんど残っていない、ヌケニン状態から脱する必要がある。
鉄道好きの私は、体験が希薄な空間の選定を、乗り換え空間とした。考えてみると乗換する機会は、交通機関を日常的に多用する人々にはかなり高頻度で存在するモノである。それにもかかわらず、思い返せば体験としての記憶はほとんど残っていない。加えて、変わらない日常がまた繰り返されるような、退屈な空間でもある。このような現状を、更新する乗換空間を設計を試みた。
【敷地】
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【提案】
いつも通りに通り過ぎる乗り換え動線に、日常の一つの場面として残るような空間を作ることはできないだろうか。スマートフォンの普及が深まった今、身体的な体験が増々重要になってきている。この点においても、自ら歩いて空間を移動する必要がある乗換空間は、身体的な体験を享受できる潜在的な空間であるだろう。場面を享受する空間を作ることにした。
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全体の構成は、大きく二つに分かれる。
一つは、既存駅とリニア新駅のホーム上部を接続する、乗り換え通路(チューブ)7本と、そのチューブに貫かれる、もしくは沿うようにして配置された、機能を持ったボリュームが、広場的、路地裏的空間を持つように、疎密の強弱を与えながら広がるエリア。
もう一つは、機能の入ったボリュームを立体的に縫うようにして、チューブとリニア新駅ホームを接続するエリアである。
【各種平面図】
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【模型】
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講評:ここに入力(改行は不可)(古澤大輔)