Karudeiruxiki no cuzurikatá
カルデール式は、表音主義に則って首都圏方言を綴るための、ヘボン式ベースのローマ字である。
このページでは、2025年12月21日現在のカルデール式の綴り方のよりどころを以下に示す:
1. 1つの音素は原則1字で書く。
1. 1. ただし、ア行には頭子音/∅/があるものと見なし、アポストロフィー(')で表す。
1. 1. 1. ただしアポストロフィーは、次の場合以外では省略する:
1. 1. 1. 1. 直前に特殊拍のあるとき。例:tán'i(単位)、ken'an(懸案)
1. 1. 1. 2. 長母音/eː, oː/とまたがって同じ母音字が続くとき。例:séi'i(誠意)、ko'ou(呼応)、kou'un(幸運)
1. 1. 1. 3. /e.i, o.u/を/eː, oː/と区別したいとき。例:é'i(エイ〈魚〉)、ko'uri(小売)、omó'u(思う)
1. 1. 1. 3. 1. この用途のアポストロフィーは省略しても良い。
1. 1. 2. なおヤ行はア行拗音とし、そのオンセットを子音クラスター/∅j/と見なす。例:yáyu(揶揄)、kán'yo(関与)
1. 2. カ行の頭子音/k/は、K/kと書く。例:kaki(柿)
1. 3. ガ行の頭子音/g/は、G/gと書く。例:gougai(号外)
1. 3. 1. 鼻濁音は、非鼻濁音と区別しない。例:géngo(言語)
1. 4. サ行の頭子音/s/は、S/sと書く。例:sásu(指す;差す;刺す)
1. 4. 1. ただし、サ行イ段(シ)及びシャ行(シャ・シュ・シェ・ショ)のオンセットは/ɕ/とし、これをX/xと書く。例:xaxínxuu(写真集)、xépaado(シェパード)
1. 5. ザ行の頭子音/z/は、Z/zと書く。例:zazen(坐禅)
1. 5. 1. ただし、ザ行イ段(ジ)及びジャ行(ジャ・ジュ・ジェ・ジョ)のオンセットは/ʑ/とし、これをJ/jと書く。例:jaaji(ジャージ)、jéru(ジェル)
1. 6. タ行の頭子音/t/は、T/tと書く。例:táte(縦;盾;立て)
1. 6. 1. ただし、タ行イ段(チ)及びチャ行(チャ・チュ・チェ・チョ)のオンセットは/tɕ/とし、これをQ/qと書く。例:qiquu(地中)、qékku(チェック)
1. 6. 2. ただし、タ行ウ段(ツ)及びツァ行(ツァ・ツェ・ツォ)のオンセットは/ts/とし、これをC/cと書く。例:cucu(筒)、Caaribónba(ツァーリ・ボンバ)
1. 6. 3. なお、ティ・トゥなどは発音通りに綴る。例:tiikáppu(ティーカップ)、tukutuku(トゥクトゥク)
1. 7. ダ行の頭子音/d/は、D/dと書く。例:dendou(電動)
1. 7. 1. ただし、ダ行イ段(ヂ)、及びヂャ行(ヂャ・ヂュ・ヂョ)は、ジ及びジャ行と同じように書く。例:yunomijáwan(湯呑み茶碗)、hanaji(鼻血)、ipponjóuxi(一本調子)
1. 7. 2. なお、ディ・ドゥ・デュなどは発音通りに綴る。例:direkutaa(ディレクター)、tuuduurísuto(ToDoリスト)、dyúeru(デュエル)
1. 8. ナ行の頭子音/n/は、N/nと書く。例:náni(何)
1. 9. ハ行の頭子音/h/は、H/hと書く。例:hahei(派兵)
1. 9. 1. ただし、ハ行ウ段(フ)及びファ行(ファ・フィ・フェ・フォ)のオンセットは/f/とし、これをF/fと書く。例:fue(笛)、fónto(フォント)
1. 9. 2. なお、[ç]は/h/の異音と見なす。例:hí(火)、hyou(表;票)
1. a. バ行の頭子音/b/は、B/bと書く。例:bíibaa(ビーバー)
1. a. 1. ヴァ行はバ行と区別しない。例:bíigan(ヴィーガン)
1. a. 1. 1. 原語が分かるように綴りたい場合は、5-1のように、原語と同じ綴りにする。
1. b. パ行の頭子音/p/は、P/pと書く。例:pán(パン)
1. c. マ行の頭子音/m/は、M/mと書く。例:mamé(豆)
1. d. ラ行の頭子音/r/は、R/rと書く。例:raríru(ラリる)
1. e. ワ行の頭子音/w/は、W/wと書く。例:wataxi(私)
1. e. 1. ウァ行(ウィ・ウェ・ウォ)も同様に綴る。例:woukingu(ウォーキング)
1. f. シャ行ジャ行チャ行以外の拗音は子音クラスター/Cj/とし、その介音をY/yと綴る。例:kyakuquu(脚注)
1. g. ア段の母音/a/は、A/aと書く。例:aná(穴)
1. h. イ段の母音/i/は、I/iと書く。例:kixí(岸)
1. i. ウ段の母音/u/は、U/uと書く。例:úsu(臼)
1. i. 1. なお、母音の無声化は表記に反映されない。例:Kucú o hakimásu.(靴を履きます。)
1. j. エ段の母音/e/は、E/eと書く。例:eda(枝)、mé(目)
1. k. オ段の母音/o/は、O/oと書く。例:otokó(男)
1. l. 撥音は、子音/m, n/がマージした原音素/N/と見なし、ナ行子音と区別せずに綴る。例:nánka(なんか)
1. m. 長音は、子音であっても母音であっても、同じ字を繰り返して表す。例:kitte(切手)、íi(良い)
1. m. 1. ただし長母音/eː, oː/は、ei, ouと綴る。例:keikou(傾向)、óui(多い)、yajiróbei(やじろべえ)
1. m. 1. 1. ただし、次の場合にはそれをee, ooと綴る:
1. m. 1. 1. 1. 直後に特殊拍のある場合。例:qéen(チェーン)、kóon(コーン)
1. m. 1. 1. 1. 1. ただし、その特殊拍が活用によって現れたものならei, ouと綴る。例:tóutte(通って)
1. m. 1. 1. 2. /e, o/で終わる形態素に/e, o/で始まる形態素が付いてできた複合語である場合。例:kagée(影絵)、satooya(里親)
1. m. 1. 1. 3. 本来よりも長く発音されている場合。例:tée(手ぇ)、onéeisaan(おねーえさーん)
1. m. 1. 1. 3. なお、感動詞に出てくる/eː, oː/はすべてこの類と見なす。例:ee(ええ)、oo(おお)
1. m. 2. なお、長子員以外の形態の促音は表記しない。例:a(あっ)
1. m. 3. なお、ラ行の直前の促音は長子音の前半と見なす。例:Aruberubérro(アルベルベッロ)
1. n. なお、現代仮名遣いの「表記の慣習による特例」には従わず、発音にならって綴る。
1. n. 1. 助詞は発音通りに綴る。例:wa(は)、e(へ)
1. n. 1. 1. ただし、助詞「を」は/wo/と発音されることもあるから、woと綴っても構わない。
1. n. 2. 「言う」は普通yuuと綴る。ただし、綴り字発音で/iu/と読むこともあるので、iuの表記も許容する。
2. アクセント核の置かれた母音には、アキュートアクセント(´)を付す。例:háxi(箸)、haxí(橋)、haxi(端)
2. 1. ただし、尾高型名詞が助詞を伴わない場合も、アクセントは外さない。例:Haxí watatta.(橋渡った。)
2. 2. なお、平板式動詞の終止形はデフォルトでは平板型と見なす。例:suru(する)
2. 3. 次の場合は、発音通りアクセントを外すことに注意:
2. 3. 1. 尾高型名詞に助詞「の」が付いて平板化する場合。例:kome no(米の)
2. 3. 2. 付属語や形式名詞のアクセントが弱化する場合。例:inú ni mo(犬にも)、káku koto wa(書くことは)
2. 3. 3. イントネーションによってアクセントがかき消される場合。例:Yabaku ne?(やばくね?)
2. 4. 形態素境界でピッチの下がり目が見られることがあるが、これは表記に反映されない。例:hi noukouxákai(非農耕社会)
2. 5. アクセント記号が入力できない場合は、省いても良い。
3. カルデール式は分かち書きを行う。例:Niwa ní wa níwa niwatori ga iru. (庭には二羽ニワトリがいる。)
3. 1. アクセント単位ごとに分けて綴る。例:kázu sukunái(数少ない)、yakinikutéixoku(焼肉定食)
3. 2. 助詞やコピュラ動詞の前にはスペースを入れる。例:Eigo o benkyou surú no ga sukí da.(英語を勉強するのが好きだ。)
3. 2. 1. なお、複合助詞は複数の助詞に分けて綴る。例:wataxi ní wa(私には)
3. 2. 1. 1. それが融合した場合はひとつづりに書く。例:dé wa→ja(じゃ)
3. 3. 動詞・形容詞のル形・タ形・テ形に付く付属語は分けて綴る。例:surú xi(するし)、yókatta kara(良かったから)、kiité made(聞いてまで)
3. 3. 1. ただし、次の場合はひとつづりに書く:
3. 3. 1. 1. 「い」の省略されたかたちでテ形に付いた場合。例:tábete iku→tábeteku(食べてく)、tonde ita→tondéta(飛んでた)
3. 3. 1. 2. 動詞・形容詞のアクセントが消えて付属語のアクセントだけが生かされる場合。例:taberukúrai(食べるくらい)
3. 4. 副詞の語尾「に・と」は分けて綴る。例:hakkíri to(はっきりと)、sát to(さっと)、súde ni(すでに)
3. 4. 1. ただし、平板式副詞のうち「と」を除いた部分が1音節のものはひとつづりにする。例:hotto suru(ほっとする)
3. 4. 2. ただし、「ちょっと」(およびその派生の「ちっと」)と「もっと」はひとつづりにし、qótto, móttoとする。
3. 5. 人名に付く接尾辞「ちゃん・くん・さん・様」は分けて綴る。例:Tanaka san(田中さん)
3. 5. 1. ただし、名前部分が2拍に短縮された愛称は繋げて綴る。例:Sáqqan(さっちゃん)
3. 5. 2. なお、人名以外では分けて綴らない。例:otokuisan(お得意さん)
3. 6. 人名の各要素は分けて綴る。例:Yamada Hánako(山田花子)
3. 7. 数字の前の接頭辞は分けて綴る。例:mou 1-ko(もう1個)、dái 1-i(第1位)
3. 8. ハイフンは、次をのぞいて使わない:
3. 8. 1. 数字と助数詞の間。例:2-cú(2つ)、10-ko(10個)
3. 8. 1. 1. ただし、単位記号の前にはハイフンを入れない。例:50kg(50kg)
3. 8. 2. 単位記号と、本来ひとつづりで書く接尾辞の間。例:50kg-kúrai(50kgくらい)
3. 8. 3. 語の途中で改行したいとき。
4. カルデール式は小文字を基調とするが、次の場合は大文字を使う:
4. 1. 文頭。例:Wataxi wa ningen da.(私は人間だ。)
4. 2. 固有名詞の語頭:
4. 2. 1. 地名、国名、天体名。例:Koufu(甲府)、Nippón(日本)、Ájia(アジア)、Qikyuu(地球)
4. 2. 2. 人名。(例は3-6を参照。)
4. 2. 2. 1. 名字も下の名も(あればミドルネームも)語頭を大文字にする。
4. 2. 2. 2. なお、3-6の例にある通り、名字と名前は日本語で発音される順に表記する。
4. 2. 3. 集団・組織・企業名。例:Jimintou(自民党)、Toyotajidóuxa(トヨタ自動車)
4. 2. 4. 著作物名。例:Wagahai wa Néko de aru(吾輩は猫である)、Ue o muite arukóu(上を向いて歩こう)
4. 2. 4. 1. 例のように斜体にするかクオーテーションマークを付ける。例:"Wagahai wa Néko de aru"
4. 2. 4. 2. 複数の語から構成される著作物名は、文内イントネーションによってアクセントが弱まらない語の頭のみを大文字にする。
4. 2. 5. 建築物・施設名。例:Efferutou(エッフェル塔)、Kokuricu Kokkaitoxókan(国立国会図書館)
4. 2. 6. 商品名。例:Umáibou(うまい棒)
4. 2. 7. なお、言語・文字名、デモニムの語頭は大文字・小文字どちらも可。例:nihongo / Nihongo(日本語)、tómin / Tómin(都民)
4. 2. 8. なお、固有名詞に接辞などが付いて形容動詞などになった場合、語頭は小文字に戻る。例:nihonteki(日本的)
4. 3. 強調。例:KIN'EN(禁煙)
5. 外来語の場合、原語の綴りや発音は原則無視し、日本語の発音に合わせる。例:Nyuuyóuku(ニューヨーク)
5. 1. 原語の綴りを保つときは斜体にする。例:New York
6. アルファベットは、特にこだわりがなければ現在の慣行にならい、英語由来の名で呼ぶ。例:éi(エイ=A)
7. 発音の揺れは表記に反映される。例:samixíi / sabixíi(寂しい)、suizokúkan / suizókukan / suizókkan(水族館)、abarabone / abarábone(あばら骨)、íi raxíi / iiraxíi(良いらしい)