史上最強の弟子ケンイチの感想
2020/03に全話無料公開されていたので読んだ。面白い
武術の才能がない主人公が、6人の異なる武術の達人の弟子になる、という設定の時点で絶対面白いのだが、その素材を丁寧に調理しており、それぞれの武術のポイントを吸収しながら強くなっていく様を丁寧に描いている。もちろん多分にフィクション的なのだが、理屈で強くなっていく感じがとても良い
バトル漫画としてちょっと異質な点として、身内に6人もの最強クラスの武術家がいる点。「弟子のケンカに師匠は出ない」という鉄則や、「達人級」「弟子級」というランクを明確にすることで「達人が出てきたら達人が出る」というパワーバランスをうまくストーリーに落とし込んでいるのが絶妙だった。ピンチのときに師匠が助けにくるのは、純粋にワクワクする
あと、バトル漫画でよくある「昔戦った相手が強くなって帰ってくる」はこの作品にも多いのだが、これも師弟システムによってうまく解決している。ケンイチが戦った相手は基本的にケンイチより才能があるので、達人に弟子入りすることにより、後からケンイチに追いつくことにそれなりに説得力があるのだ。所詮全員「弟子級」なので、良い師につけば伸び代がある
ただ、面白かったのは序盤〜中盤だけで、終盤は風呂敷を広げすぎて正直読むのが大変だった。終わり方も打ち切りという話だし、細かい伏線は置いておいても、全然気持ちのいい終わりではなかった 師弟モノとして、師匠超えはあるのか、という視点も気になるところだったし。まあ、この作品はあえて師匠をはじめとする達人たちをありえないくらい超人に描いているので(海の上とかを普通に走る)、段階的な成長の過程でケンイチがそれを超えるビジョンもないんだけど。たぶんコンセプト的に、高校生以上のケンイチを描くつもりもなかっただろうしな
まあケンイチの今後の成長については、岬越寺が幾度となく言っている「(梁山泊の弟子になったからには)必ず達人になる。それか死ぬ」というセリフが全てだと思うので、それ以上は蛇足なのかもしれない(このセリフ好き)
あと、乳首への執着ヤバすぎて、終盤女性キャラほぼ全員常に乳首浮いてて怖すぎて泣いちゃった