WJPYについての考察と提案

2020年1月12日和らしべCTO長澤 智也氏（ @ocrybit）によって提案されたWJPYについての考察です。

参考リンク：

『WJPY』 ERC20完全分散型日本円ステーブルトークン

注意事項

WJPYを批判する意図ではなく、メインネットに向けて脆弱性を潰すお手伝いをしたいのです。

そういう趣旨として読んで頂けると嬉しいです。

免責事項

ファーストインプレッションなので誤読している可能性があります。

誤読していた場合はTwitterやFacebookで教えて下さい。

私自身がステーブルコインや暗号資産の設計を行うクリプトエコノミストなので、

私が誤読するということは他の人も誤読しやすいポイントだと思います。

誤読した箇所は説明を追加する等して貢献するつもりです。

第一印象

発行体を薄くしたのはとても良いですね。

ビットコイナー受けも良さそうです。

ここまでやるなら徹底して、1000人位賛同者を集めて過半数の投票でコントラクトをデプロイすると良いでしょう。

脅迫について書かれていたのは不穏ですが、仮に長澤さんがテストネットで開発を中止しても、

ここまで来ていればあとはサトシナカモト的な匿名開発者が開発を継続し、メインネットデプロイまでは行きそう。

WJPYの価値は今のままだと日本円より少し低くなるでしょう。

うまくやれば、WJPYの価値は日本円より少し高くなるでしょう。

WJPYの価値が1円以上になった時、WJPYを買う動機が生まれて、WJPYにDAIが流入するでしょう。

一旦DAIが流入しはじめたら1WJPY=1.00-1.01円位で安定するかもしれません。

WJPYの価値が日本円の価値と一致することは無いが大体一致するでしょう。

それがいい。

JPYとほぼ同価値のERC20トークンが非中央集権で動きそうなことは単純に面白いです。

メインネットで動けば、間違いなく少数のイノベーターが使いはじめるだろうなと思います。

様々な円経済圏との接続に使える可能性がありますね！

解説

長澤さんもコメントで書いてますが、誰かが大口でDAIを入れないと経済がまわりはじめません。

今のままでは変換手数料とドル（DAI）の為替リスク分、WJPYを手に入れた人は損します。

例えば図書カードは100％の円を払い込んでも本屋じゃないと使えないという不便さの分価値が下がります。

その為95％程度の価値でチケットショップで取引されています。

これは1000円で本屋で図書カードが売れないということを意味しません。

図書カードは現金よりプレゼントに使いやすいので、それで良いのです。

要は使える店が少ない分、1000円相当のWJPYは90％以下の価値になってしまう可能性がある訳です。

流石に90％を下回ったらDAI引き出してドルに交換して円に両替しても利益出ると思いますが。

思考実験

WJPYの価値が1円以上になった時にはじめてWJPYがまわりはじめるので、

どうやったらまわりはじめるか非中央集権的にみんなで考えましょう。

まずは単純な思考実験をやってみます。

例えば単純にWJPYで払うと２割引のお店が増えれば、WJPYの価値は１円を超えるでしょう。

この場合、お店の収入は２割以上減るので、持続的でないですね。

はじめてのお客様限定で、WJPYで払うと２割引きなら広告宣伝費的に受け入れられるかもしれません。

円経済圏で閉じて考えている限りゼロサムゲームなので、誰かが得すると誰かが損します。

つまり、キャズムを超える為に何かアイデアが必要になるということです。

方向性

WJPY決済に対して別のインセンティブトークン（無償ポイント）を渡すのが鍵になりそうです。

提案

日本暗号資産市場でWJPYを決済通貨に指定し、WJPY決済の場合は日本暗号資産市場は取引手数料を取らない

というのはどうでしょう？

暗号資産古物商がWJPYで決済すれば、暗号資産古物商は円決済のみの古物商よりも有利な取引機会を得ることができます。

さらに、売り手の古物商・買い手の古物商・日本暗号資産市場の３者も、それぞれ取引高に応じて、無償ポイントとして市場コインを入手できるので、参加者全員が得します。

参考：

結論

このように別の無償ポイント（トークン）を推す人が多通貨オークションでWJPY決済を導入し、WJPY決済に対して別の無償ポイント（トークン）を取得できるようにすることでステーブルコインの初期流通を促すことができるでしょう。

仮にWJPYの初期流通が上手く行かない場合、初期でWJPY決済を導入した店舗にインセンティブ（無償ポイント）として別のトークンを付与しても良いかもしれません。

その際は市場コインの設計が必ず役に立つはずです。

WJPYは日本円ではないので、WJPY決済を日本円決済より優遇しても（物やサービスの）日本円での価格が値崩れしにくいのがメリットです！

WJPY経済圏に共感する企業や個人事業主がWJPY優遇割引サービスを開始すればこの構想は上手く行くでしょう。

WJPYを使っている人同士が生活しやすいエコシステムができるか？

日本暗号資産市場自体もエコシステムに参加して貢献しながら、見守りたいと思います。

連絡先

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