現状報告書20200228
2020年2月28日付 日本暗号資産市場株式会社
まとめ
古物商許可取得
古物市場許可は申請中
本年3月に市場開場と単月黒字を目指す
500万円のエンジェルラウンドクローズ、シード準備中
出品・発送のアルバイト採用強化中
業界動向
日本の古物商のマーケットサイズは年間2兆円規模でそのほとんどが日本円で決済されている。
潜在マーケットサイズは7兆円で差分はゴミとして捨てられていると考えられる。
2019年8月、日本の警察庁は古物営業における仮想通貨の取扱いを差支えないものと整理した。
2019年10月、一社)暗号資産古物商協会が設立された。尚、当社の代表取締役は協会の監事を兼任している。
これにより続々と暗号資産古物商が増加し続けているが、暗号資産古物商同士が集まって暗号資産で決済する古物市場は存在しておらず、各古物商は既存の古物市場等で現金で物を売買している。
暗号資産で決済できる古物市場の開場は急務であり、一刻も早い古物市場の開場が求められている。
仮想通貨交換業者関係
仮想通貨交換業者は新規通貨の取扱を増やそうとしているが、仮想通貨交換業者及びJVCEA(自主規制団体)及び金融庁に十分な人材が配置されているとはいえず、取扱通貨の増加ペースは上がっていない。
XLMやQTUM等の海外上場仮想通貨がコインチェックに相次いで上場しているが、取引所発行通貨以外の国内新規仮想通貨が上場できるようになるまでにはもう少し時間がかかると考えられる。
金融庁が改正金商法・資金決済法等のガイドラインを発表し、規制が強化されたことにより業界再編が進む見込み。
仮想通貨交換業者で取扱われる仮想通貨の増加ペースが鈍ければ、上場待ちの有望な仮想通貨が増えて、暗号資産古物営業の機会が増加する。
プロが物を取引する際にどのような決済手段を用いるかはプロが独自判断で決めるべきであり、警察庁からプロと認定されている古物商が自らの判断で決済方法を決めるのは理にかなっており、協会を通じて金融庁等とディスカッションした感触としては大きな問題がおこらない限り規制される可能性は低いと考えられる。
一社)暗号資産古物商協会を通じて各仮想通貨交換業者役員とディスカッションした感触として、仮想通貨交換業者の暗号資産古物商に対する期待は非常に高い。
その為、暗号資産関連のイノベーションは暗号資産古物市場周辺で起こる可能性が高く、暗号資産古物商及び暗号資産古物市場の将来性は高い。
暗号資産古物商が作成した暗号資産取引プラットフォーム「和らしべ」はテストネット公開された。
「和らしべ」はクラウドファンディングを開始し、日本円ステーブルコインWJPYもテストネット公開した。
古物商関係
暗号資産古物商のほぼ全員が当社の事を知っていて利用希望であるが、暗号資産古物商は全国に30社(人)程度だと考えられる。(暗号資産古物商協会の反響等から推計)
全国に77万人いるとされる古物商がどの位暗号資産古物市場に流れてくるかが重要である。
古物市場は全国に1500程度あるとされるが、許可を取得してもやっていない市場が多く体感ではもっと少ない。
最近仲良くなった若手ネット古物商に2名にヒアリングしたところ、反応は非常に良かった。2名とも市場にも参加してくれるとのことであるが、既存の古物商のネットワークへの浸透を強化する必要がある。
新しく古物市場を開設する目白近辺には多くの古物商が店舗を開設しており、地道に挨拶周りをすることで初期の参加者を増やせそうである。
新しい古物市場は安く落札出来る可能性がある為、落札目的の古物商が集まりやすいが出品が不足すると盛り上がらないので、出品する古物商を増やす必要がある。
一般消費者関係
団塊の世代の高齢化が進んでおり、引越や施設入居、相続等を通して古物商全般のニーズは高まっている。
高齢者は思い出が詰まったものを次の世代に受け継ぎたいという気持ちが特に強く、自分が価値を感じている物が既存の廃棄物運搬業者によりゴミとして扱うことに耐えられない方が多い。
一方で、安く古物商に引き取られる位であれば思い出の詰まった物に囲まれて死にたいという相反するニーズがある。
これを両方クリアするためには古物商が今よりも高い値段で買い取れるようになるしかない。
メルカリに一点ずつ出品して発送するのは面倒であり、高齢者には困難である。
よって箱で送れば査定して買い取ってくれるネット古物商のニーズは高まっている。
その場合も購入時との差額という観点から買取査定額への不満は強い。
当社に箱で送ればそのまま市場で競りにかけて公正な値段で買い取ってくれるのであれば需要は高いと考えられる。
さらに暗号資産古物市場であれば暗号資産として子孫に相続することも可能である。
当社は一般消費者の主なターゲットは物を持っている団塊世代の子供と想定し、ユーザーヒアリングを繰り返している。
当社内部の状況
当社は2019年11月に設立したばかりのスタートアップであるが、業界の注目度が高い為、
少し募集をTwitterで告知するだけで優秀な応募者が集まっている。
12月から社員1名、アルバイト1名、インターン2名を採用しうち1名は3月から社員として採用した。
3月からはアルバイト4名が加わり(内2名エンジニア)、社員2名アルバイト5名インターン1名となる。
社員は古物商の営業所責任者、エンジニア、インターンは後方支援担当、アルバイトはバックオフィス、エンジニア、出品、
発送等を担当している。
エンジェルラウンド完了後に採用を再開し、会社の近くに通学する学生等を対象に出品・発送担当者を採用強化中。
また新しいビジネスである為、必ず採用者の教育期間が必要である。
教育マニュアルが急ピッチで整備された結果、インターンや社員が増えても迅速にキャッチアップできている。
仕入と販売のフローを整えて1月14日から売上が立ち始め、2月10日古物商を取得したことで古物の仕入ができるようになり、売上も伸び始めている。
販売品目はブランド物で財布などの小物類、バッグ、ネクタイ等の省スペースで売れるものが中心である。
事務所が手狭になってきており、単月黒字達成後4月にも1物件借りることになる可能性がある。
当社の資金はエンジェルラウンドの完了と売上が立ち始めたことで一時的に潤沢になったが、
引き続きシードラウンドの資金調達を進める必要がある。
その前提となる金融機関の口座開設は12月20日に完了し、不動産の賃貸契約も完了した。
年明けに目白の事務所に本店移転し、2月10日古物商許可が降りた。
シードVC投資家数社が投資検討しており、デッド調達もできそうなのでどちらにするか?又は組み合わせるか検討中。
好条件で調達する為にも3月の単月黒字が重要であり、それを目指して売上を立てている。
古物商・古物市場主の許可申請を1月16日に完了した。
古物商は2月10日に許可が降りた。
古物市場主は許可申請を出してから許可が降りるまでに約2ヶ月かかるので、市場の開場は2020年3月末になる見込みである。
現在6つの発行体から暗号資産古物商に引き合いが来ており、反応は良いが、全ての発行体の仮想通貨を市場で取扱うことはできないので、選定基準を作り選定を進める必要がある。
現在和らしべで取扱通貨となるALIS、ARUKは取扱う予定。
日本暗号資産市場で使用できる無償ポイントである市場コインを発行した場合はそれも取扱う。
市場コインのホワイトペーパーを年末年始に作成し、草案を公開した。
当社が計画しているMarket as a Service はエンドユーザー、古物商双方にとってメルカリと比較して使いやすい仕組みができそうであり、古物商にとっても在庫を抱えずに収益を得られる。
ユーザーヒアリングの結果は良いが、仕組み化と物流を整備する必要がある。
まずは知人の不要な食器等を無償で受取り、販売するところから1月にスタートする(古物商許可不要で開始できる為)
2月10日以降は古物市場での仕入を行い、それを販売して早期の単月黒字を目指す方針である。
代表者の岡部は個人で古物商許可を取得していた為、市場でメキキや競り人の技術を習得した上で先行して社員に対する研修を行うことができた。
その結果、従業員のメキキ力や販売力が上がり、自律分散型の組織ができた。
古物商の営業所責任者には社員No1の原沢が就任し、古物商は既に原沢中心に運営している。
※岡部は古物市場主許可取得後の古物市場営業所責任者を兼任する予定。
販売フロー、バックオフィス、仕入ルートは概ね整ったので、出品発送担当の採用が鍵となる。
コミュニティの状況
暗号資産古物商協会のDiscordの参加者数は320名。
天才エンジニアの億ラビットくんが作成している暗号資産古物商プラットフォームWARASHIBEは12月5日テストネット公開し、少数の一般人を入れながらテストネットで発行したトークンを使って取引を行いながら超高速で開発が進んでいる。
日本円ステーブルコインWJPYも注目されている。
テストが完了後2020年春~夏にメインネットに移り、ALISやARUK等の複数通貨で取引できるようになる予定。
他にも3-4名が自主的に暗号資産古物商関連のコードを書いており、分散開発がうまく機能している。
アドバイザリー
一社)暗号資産古物商協会と弊社は多通貨オークションに関する業務提携を12月7日に発表した。
エンジェルラウンドで投資家やファイナンス、弁護士等の専門家5名にアドバイザーになっていただいた。
1月から仮想通貨税務に強い公認会計士・税理士の先生と顧問契約。
2月から暗号資産に強い弁護士と顧問契約。
3月から税理士がアドバイザーとして参画予定。
その他にもSNS上に各分野の一線級の専門家が集結しており、業界全体の採用プールとしても機能する可能性がある。
非常に心強い。
作成責任者 岡部典孝(現場指揮官兼情報計画部長)
最終更新 2020年2月28日