きょうと206番
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必死で勉強して、きつい恋愛して、はんなりと遊んで、ときおり「まんまんちゃんあん」。なんか、人生行路みたい。
むかし京大に、祇園からタクシーで講義に出かける哲学の先生がいたり、雪の舞う大晦日に塀を越えて銀閣寺の寺に忍びこみ、年越しの宴に酔いつぶれて凍死した学生や、大文字の送り火の前日に集団で山に登って茂みに隠れ、当日大文字の火がつけられると同時に一斉に懐中電灯をつけて「犬」文字にして市民を怒らせた学生たちがいた。「筆下ろし」のお世話になった学生もどっさりいた、はずだ。ロードショーの映画館は少ないけれど場末の映画館はたっぷりある。狭苦しい商店街もあれば、歌舞練場や南座など、華やかな市民の愉しみの場所もある。<聖>と<性>と<学>と<遊>が入れ子になって、年の記憶をたっぷり溜め込んでいる路線なのである。
こういう街の並びは、いうまでもなく「あっち」の世界へ通じている。法悦の世界(神社仏閣)、推論の世界(大学)、陶酔の世界(花街)。