H29刑法
第1 甲の罪責
1 Cに対し,XとYの購入を申し込んだ行為
⑴ CがB名義のカードで支払いをする意思でCに対し,XとYの購入を申し込んだ行為が詐欺罪(刑法(以下略。)246条)にあたるか,以下検討する。
ア 人を欺く行為
人を欺く行為とは,人の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることをいう。
甲は,本件クレジットカードをX購入のみに用いるというAとの約束に反することを認識しつつ,かつ,Aに合計60万円を支払うことができる確実な見込みがないことをそれぞれ認識しつつ,購入を申し込んでいる。
これを本件についても見ると,クレジットカード加盟店利用者が会員本人であることを善良な管理者の注意義務を持って確認することが求められてることから,Cは甲が本件クレジットカードの会員本人でないことを知っていたならば,X及びYを交付していなかったと言えるため,甲がA名義のクレジットカードを用いて支払うつもりでX及びYの購入を申し込んだ行為は,Cの交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ったといえ,「人を欺いて」にあたる。
イ 甲の申し込みに対し,Cは,X及びYという財物をCに交付している。
⑵ 以上より,甲にはCに対する詐欺罪が成立する。
2 売上票用紙にAの名前を記入しCに手渡しした行為
⑴ 上記行為に,私文書偽造・同行使罪(159条1項,161条)が成立するか,以下検討する。
ア Aの同意がある点について
本件で甲は,カード名義人であるAの同意を得て本件クレジットカードを使用していることから,私文書偽造罪は成立しないようにも思える。私文書偽造罪の保護法益は,文書の証拠としての信用であるため,本人の同意があったとしても違法性は阻却されない。
3 ⑴正面からAに体当たりした行為
⑵再び正面からAに体当たりした行為
⑶Aの両腕を押さえつけた行為
暴行(208条)
正当防衛(36条)
4 Aの財布をポケットにしまったこと
窃盗(235条)
×強盗(236条)
4万円を抜き取ったのは,9時5分。でも財布しまった時点で金をとるつもり
5 財布を押入れに隠した行為
盗品等保管(256条2項)には当たらない。
第2 乙の罪責
体当たり1
体当たり2
押さえつけ
全部正当防衛(36条)成立。
他人のためでもOK
⑴急迫
⑵不正
⑶防衛するため
⑷相当性
⑸
2 石で一発殴った行為
⑴実行行為
⑵結果
⑶因果関係
⑷故意
⑸違法性阻却事由
正当防衛と言えるの(36条)
Aは男2人に乗られて,動けない状態であった。
甲,乙の体格,Aの体格
年齢も。
3 財布を奪い,捨てようとした行為
甲と共に財布を探し,A
窃盗(235条)
毀棄隠匿(261条)
「不法領得の意思」とは,権利者を排除し,他人の物を自己の所有物として振る舞う意思を持ち,当該物の経済的用法に基づき利用処分する意思を有すること。