長沼ゼミ20170704
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証拠と,要証事実との関係。要証事実は「〜であること」
証拠→立証趣旨(犯行の方法内容等)→要証事実
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Y(死亡)の検面調書を証拠調べ請求。
立証趣旨:X・Y間の共謀の成立及び内容等
Aは,Y(死亡)の高校時代のサッカー部の後輩で,親しい関係にあり,火災の翌日B国へ出国した旨の出入国管理記録があるが,Aは所在不明。
Yの供述の要旨
Vの住宅が全焼した直後に,Aが私の家を訪れた。Aが「自分が届けた物に化学薬品の臭いがしていた。あれはなんだったのですか?」と問うたので,私は,「あれは発火性の強い××で,Xと相談して作った時限発火装置だ。」Xの指示で信用できるお前に届けてもらった。」と答えた。Aは驚いた様子だったが,「Yさんの頼みだったんだから仕方がない。でも自分に罪がかかるのは御免です。」と言っていた。その後,Aと連絡を取っていない。
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2017/07/04
PR17022 益田 綾乃
1 書面に記載されている内容が真実であることを前提として,その事実があったことを証明する必要がある場合には,320条1項の供述代用書面にあたるため,321条以下の規定に従い証拠能力が認められるかを検討する必要がある。検察官の立証趣旨は,「X・Y間の共謀の成立及び内容等」であり,本件検面調書にはYの供述内容として「あれは発火性の強い××で,Xと相談して作った時限発火装置だ。」「Xの指示で,信用できるお前に届けてもらった」とYがAに対して話した内容が記載されている。このY供述の内容から,XとYとの共謀を立証することができるため,本件検面調書は供述代用書面にあたる。したがって,321条以下の例外にあたり証拠能力が認められるか,以下検討する。
(1)まず、326条1項の同意はない。
(2)321条1項2号書面に該当すること。
次に,本件検面調書は「被告人以外の者・・・の供述を録取した書面」であるため、321条1項2号の要件を充たし証拠能力が認められるかを検討する。
ア Yは,第1審公判中に死亡したため,「供述することができないとき」にあたる。
イ 原供述が,信用すべき情況のもとでなされたとき
Yの原供述は,高校時代のサッカー部の後輩であり,高校卒業後も親しい関係にあったAに対して述べた内容であること,及びYが犯罪を犯したという不利益な内容を含む供述であることから,虚偽の供述をする必要がないといえるため,信用すべき特別 の情況においてなされた供述であると認められる。
2 以上より,本件検面調書にYの署名若しくは押印がある場合には,321条1項2号の書面としてその証拠能力が認められる。
以上
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