神経症的な愛
「恋人たち」 の一方あるいは両方が、親の像への執着を捨てきれず、かつて父親あるいは母親に向けていた感情・期待・恐れを、大人になってから、愛する人のうえに転移すること 幼児的な関係のパターンから抜け出せず、大人になっても愛の欲求のなかにそれと同じパターンを求める 知的、あるいは社会的には年齢相応だが、情緒の面で幼いまま よく見られる例
母親への幼児的執着から抜け出せていない男たちは、母親から無条件に与えられるような愛を欲しがる
女性の気を引こうとするときにはとても優しく魅力的になり、うまく女性の気を引くことができた後でもその態度は変わらない
しかし、女性にたいする関係は (他のすべての人にたいする関係も) いつまでたっても表面的で無責任
愛されることが目的で、愛することが目的ではない
父親に執着している場合
父親の称賛を得られることが重要なので、大人になってからも父親代わりを探す
女性に対する関心が低い
両親が、互いに愛し合っていないが抑制心が強く表面上は不満が出ない場合
子どもからすると、親と心から触れ合えないので、当惑と不安 → 自分の殻に閉じこもる
不安感が募り、激しい興奮を得る唯一の方法としてマゾヒズム傾向が強まることもある そのような女性は、わめきちらしたり怒鳴ったりする夫を好みやすい
愛されているのかいないのかよくわからないという苦しい状態から抜け出すために、無意識のうちに夫を挑発することも しかし、「一家団欒」 のなかにただよう緊張と不幸の雰囲気は、はっきり離婚するよりも、ずっと子どもに悪影響をおよぼす。 すくなくとも、親が離婚することによって、子どもたちは、勇気をもって決断すれば、 堪えがたい状況にも終止符が打てるということを、身をもって学ぶ。 ここで、しばしば見受けるもう一つの誤りについて述べておく必要があろう。
参考文献