気候変動の真実
著者 : スティーブン・E・クーニン
訳 : 三木俊哉
『TOPPOINT 2022 年 5 月号』 より
気象と気候は違う
地球全体の地上気温を測るのは難しい
観測所が同じ場所にあっても、周りの都市化などで気温が上がったりする
気候モデルを使っても、気象はカオスなので予測は難しい
異常気象を人間の活動の影響だとすることについて、科学の確信度は低い
アトリビューション研究で、異常気象における人間の活動の役割が説明されることがあるが、実際のところ、人間の活動の影響だけを取り出すのは困難
世界気象機関は、「いかなる事象も人間による気候変動のせいにすることはできない」 と言っている
気候についてあたりまえのように語られる内容と、科学が伝えることは違っている
マスコミ、政治家、科学者などの多様な気候関係者の利害の一致による
マスコミにとっては、危機をあおるような内容でないと人を集められないし、科学的背景の不足もある
政治家にとっては、有権者の情熱や意欲を掻き立てることで選挙に勝つ
科学者にとっても組織の重圧がある
研究に時間を費やして、結果が 「十分なデータがない」 だと困る
活動家や NGO にとっては、気候危機は存在理由そのもの
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