「全体主義」 という言葉を明確な意味で使い始めたのは、イタリアのファシズム政権やドイツのナチス寄りの知識人たち
1920 年代後半から、ベニート・ムッソリーニたちが自分たちの運動を全体主義と形容するようになった
ムッソリーニらは、西欧の自由主義は人間の自由を抽象的・観念的にしか捉えておらず、現実と遊離していると批判
自分たちこそが国家の中で生きる現実の人間の自由を考えているとした
父親的温情主義と訳される
「お前にはまだわからないだろうが、これはお前のためだ」 という類のコミュニケーション
教育はどのようなものでも論理的にパターナリズムを前提とする
参考文献
私たちはどこから来て、どこへ行くのか
民主主義を補う非民主主義的装置として全体主義的方向性が必要だとアカデミズム領域で理解されるようになってきた
民主主義的な方法で全体主義に抗うことへの悲観
グローバル化 = 資本移動自由化 → 格差化と貧困化
中間層の分解と共同体の空洞化による個人の不安、鬱屈 → ポピュリズム社会
集団的極端化、熟議が壊れる、という民主主義の危機
民主主義には一定の社会的文脈が必要
存在しない場合は構築する必要
構築は民主主義的には遂行できない
二階の卓越主義の問題
参考文献
リバタリアンは、無理強いせずに、自由意思で選ぶ手助けをする、というニュアンス
パターナリズムは、父が子を導くように、相手を合理的判断ができない人だと想定して、相手の利益を考えて選択肢を用意し、最善の選択肢を与えるようなこと
リバタリアン : 無理強いではなく自由意志で選ぶことを助ける、ということ
パターナリズム : 父親が子に対するように、十分合理的に考えうる状態ではないとみなされる相手に対して保護するようなもの
en : Child Penalty
表記ゆれ : チャイルド・ペナルティー
女性の賃金が男性よりも低い傾向なのは、世界中で確認されている。 実はこれ、経済学研究では 「Child Penalty」 (チャイルド・ペナルティー) で賃金減少の大部分の説明ができるとの報告もある。 「Child Penalty」 とは、子供のいる女性が、育児時間捻出のために時短労働や退職をする必要性に迫られて、女性の就業率や収入が長期的に低下し続け
2013 年のクラフトワークの世界ツアーにおける全体主義による全体主義の批判
テクノロジーが引き起こす目眩
全体主義でもって全体主義を批判
40 年前にティモシー・リアリーが推奨したドラッグレスハイとしてのコンピュータグラフィックスやコンピュータミュージック
テクノロジーの目眩という着眼点がバウハウス的
発行年 : 2022 年?
社会の中で新しい問題に直面したときに取り得る考える方法を示すことが本書のモチーフ
トランス系といわれる分野
同性愛やトランス系が宗教的禁忌であるキリスト教圏と日本では社会的な背景が異なる
日本においては、日本の自分たちの今・ここについて自分たちで考える必要がある
1906 年、ドイツ生まれ
第二次世界大戦後の西欧諸国の政治思想に大きな影響を与えた政治哲学者
その著作の中で、全体主義を考えるにあたって重要なのが 『全体主義の起源』 と 『エルサレムのアイヒマン』
参考文献
TOPPOINT 2022 年 7 月号
著 : 仲正昌樹
from: TOPPOINT 2022 年 7 月号
ハンナ・アーレントについて
アーレントは、全体主義を 「大衆の願望を吸い上げる形で拡大していった政治運動」 と捉えた
独裁体制や権威主義とは全く違う