ノルウェー・パラドックス
ノルウェーのように男女平等が進み、選択の幅が広い社会では、あらゆる職業で男女の比率が同じになるはずだと思うかもしれない。 だが実際には、男女ともに従来型の男らしさや女らしさが求められる職業を選択する率が高い。 たとえば、幼稚園や小中学校の教員、清掃や看護などの職業では女性が、建設労働者、運転手、技術者、エンジニアなどの職業では男性の比率が高い。
これは、「ノルウェー・パラドックス」 と呼ばれている現象だ。 従来型のロールメイトの関係から解放され、好きな職業を選択できる自由が増す一方で、多くの人々が伝統的な男女の役割に基づいた職業を選択しているのだ。
その理由はバランスだ。 ノルウェーでは、家で女性が女らしく、男性が男らしく振る舞うことが推奨されていないので、男性は外では伝統的な男らしい仕事を、女性は女らしい仕事をしてバランスをとろうとしているのだ。 逆にインドのように家で女らしく振る舞うことを求められている国の女性は、家の外では男性的な仕事をすることに意欲的だということがわかっている。