イノベーションの競争戦略
編著 : 内田和成
from: TOPPOINT 2022 年 6 月号
イノベーションの本質は新しい製品・サービスを消費者や企業の日々の行動の中に浸透させること
これまでにない価値の創造により、顧客の行動が変わること
イノベーションを技術革新と捉える従来の考え方とは異なる
nobuoka.icon 『資本主義の先を予言した史上最高の経済学者 シュンペーター』 で語られている内容と似てそう
イノベーションを引き起こす源泉は 3 つ
1. 社会構造 : 社会や業界の根幹を覆すような構造の変化
2. 心理変化 : 消費者を代表とする市場参加者の行動、常識や嗜好の変化
3. 技術革新 : 自社の技術のみならず、業界や社会インフラの技術も含む
これらをイノベーションのドライバーと呼び、その組み合わせをイノベーションのトライアングルという
イノベーションの創出プロセス (イノベーションストリーム)
1. トライアングルでドライバーを捉える
2. ドライバーをてこに新しい価値を創造
3. 顧客の態度が変わる
4. 顧客の行動が変わる
イノベーションストリームの例 : アイロボット社のルンバ
「一度ルンバを利用すると、ルンバの無い生活には戻れない」 という声も
不可逆性はイノベーションの特徴
環境要因の変化を捉えることが重要
Zoom の例
コロナ禍による移動規制 (社会構造の変化) と 「会議はオンラインで良い」 という心理変化
他のビデオ会議ツールではなく Zoom だったのは、技術の優位性
行動変容を起こすものと価値創造を実現するものは同じとは限らない
価値創造できなくても、顧客の行動変容と実現したいことを明確にすればイノベーターになれる
フリルより後発のメルカリが成功したのは、「顧客の生活をどう変えたいか」 というゴールから逆算していたから
イノベーションの達成後、行動変容をベースに新たなイノベーションを生み出すことができる
イノベーションの連続で重要なのは、行動変容 → 新たなドライバーを見立て → 価値創造、とプロセスを進めること
例 : T 型フォードの誕生がレンタカーサービスを生み出した
イノベーションの対象を同一の顧客にするか異なる顧客にするか
同一の顧客の例 : Apple の iPod → iPhone → iTunes Store
異なる顧客の例 : 大正製薬のリポビタン D をヒントに、レッドブルは日本とは異なるヨーロッパの市場に展開
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