何が長期的に出生率を下げてきたのか
筒井淳也
https://note.com/junya_tsutsui/n/n5fdd1d3fa339?sub_rt=share_pw
少子化、長期的な出生率低下
出生率の低下は、ほぼユニバーサルな現象
前近代では女性は多くの子を産んでいたが、死亡率が高かったので定常状態に近かった
ネットの再生産率 (純再生産率) は 1 前後
現在では、いわゆる経済先進国でなくとも出生率 (期間合計特殊出生率) が 2 を切っている国が多い
世界銀行のデータ(基本的に2022年時点)をみると、すでに合計特殊出生率がおおまかな人口置換水準である2.1を下回っている国がすでに過半数
世界の出生率を長期的に押し下げてきた直接の要因は、死亡率の低下
死亡率が高かったときは、とりあえず産んでからその後調整
主な手段は遺棄、嬰児殺し (不用意な、あるいは意図的な添い寝による圧死も)、世帯 (生活共同体) からの排出 (身売り、奉公、都市への転出等)
人口転換論の教科書的定義では、死亡率の低下が先行し、一定のラグがあって出生率が低下する、とされる
このラグのあいだに人口増加
先の出生率の動向をみるかぎり、世界の多くの地域はこの惰性の段階、あるいはそれにさしかかっている
例外としてフランスがある