騙されたと思えば被害者になれる
「プロパガンダが優れていたのでナチスは政権を取れた」ということになった方が都合のいい人たちがいて、それは他ならぬナチスの支持者たち、つまりは当時のドイツ国民です。これはメディア史を研究されている佐藤卓己先生が言っていることですけど、自分たちは積極的にナチスを支持したのではなく、狡猾なプロパガンダに騙されたんだと言っておけば、彼らは加害者ではなく被害者になれる。つまり、プロパガンダの効果を過大に見積もることで、ある種の責任回避ができるんです。 自分が騙されることを「騙す奴が悪だから、悪ではない自分は善」と考える人と
gpt.iconナチスは1920年代後半から1930年代初頭にかけて、ヒトラーのイメージを高めるためにプロパガンダを積極的に使用しました。この期間、ジョセフ・ゲッベルスを中心としたプロパガンダ活動は、ヒトラーを強力で愛国的なリーダーとして描写し、国民の不安や不満を巧みに利用しました (The Holocaust Explained) (Holocaust Encyclopedia)。 しかし、ナチスのプロパガンダが本格化したのは1933年に政権を掌握してからです。この時期、ゲッベルスが指揮する国民啓蒙・宣伝省が設立され、映画、ラジオ、新聞などを通じてナチスのメッセージを広めました (USHMM Exhibits) (Encyclopedia Britannica)。
一方で、ナチスを支持したドイツ国民の一部が「プロパガンダによって騙されていた」とする言い分は、自らの過ちを正当化するためのものであるとも言われています。これにより、彼らは自らの行動をナチスの策略に帰することで、自らの責任を免れようとしたのです (The Holocaust Explained) (Holocaust Encyclopedia)。