関係特殊資産
claude.icon関係特殊資産とは、ある特定の取引関係においてのみ価値を持つ資産のことを指します。別の取引相手との取引では、その価値の大部分あるいは全てを失ってしまうような資産です。
具体例としては以下のようなものが挙げられます。
特定の取引先向けにカスタマイズされた製品や部品を生産するための専用設備
特定の取引先との取引を前提として立地した工場や店舗
特定の取引先との取引を通じてのみ獲得できるノウハウや知識
特定の取引先との信頼関係や人的ネットワーク
このような関係特殊資産は、その取引関係が継続する限りにおいて価値を持ちますが、何らかの理由でその取引関係が終了してしまうと、大きな損失を被ることになります。つまり、関係特殊資産への投資は、取引相手に対する強い依存をもたらすのです。
そのため、関係特殊資産への投資を行った当事者は、取引相手からの機会主義的行動(ホールドアップ問題)に対して脆弱な立場に立たされることになります。この問題に対処するために、企業は垂直統合や長期契約などの手段を用いることがあります。
関係特殊資産の概念は、取引コスト理論において中心的な役割を果たしています。取引コストの源泉として認識され、企業の境界決定やガバナンス構造の選択を分析する上で重要な概念となっているのです。
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関連
組織の境界
ガバナンス
取引は当事者間の小さなコミュニティだと解釈できる
そうすると関係特殊資産はコミュニティ資産だと拡大解釈できる
コミュニティのメンバーの便益のための資産が、コミュニティメンバーの一部の出費によって賄われている状態
コモンズのガバナンスと似た問題
組織の境界や、所有権がなめらかになれば良いかもしれない
相手に関係特殊資産を積ませる
これによって相手が「やーめた」と言い出す確率が下がり、不確実性が減少する
自分が率先して積んで、バーターや返報性の原理
ある種のレイズ