重要な人物だと思われたい欲は男性の方が強い?
重要な人物だと思われたい欲は男性の方が強い?
性差
o3.icon結論(要点)
研究全体では 男性の方が「重要な人物=高い地位・権力を得たい」という動機がやや強い と報告される。
ただし差は中程度(効果量 d ≈ 0.3〜0.4)で個人差・文化差が大きく、状況次第で消えたり逆転したりもする。
社会的支配志向(SDO)
ヒエラルキーを正当化し地位を求める傾向
世界 97 サンプルのメタ分析で男性が有意に高い(平均 d≈0.37) (ResearchGate)
リーダー/権力志向
248 研究のメタ分析で「リーダーになりたい」願望は男性が高い(d≈0.19)
(サイエンスダイレクト)
自己アピール(Self-promotion)
NBER 実験:同成績でも男性は自己評価61点・女性46点と自己を高く売り込む
(Harvard Gazette)
権力 vs. ステータス志向
3 実験の統合結果:権力獲得は男性>女性、尊敬(承認)獲得は女性>男性
(サイエンスダイレクト) 目的で差異
3 実験の統合結果:権力獲得は男性>女性、尊敬(承認)獲得は女性>男性
o3.icon「権力(power)」と「尊敬としての地位(status/prestige)」は別物
権力=他者や資源を直接コントロールできる実効的な決定権。
尊敬・承認としての地位=周囲から自主的に与えられる敬意・称賛。コントロール権は伴わず、支持が離れれば失われる。
進化心理の Dual-strategies theory では、人は ①支配(dominance)と ②威信(prestige)の二本立てでヒエラルキーを登ると整理される。
Hays (2013) “Fear and Loving in Social Hierarchy” の3実験概要
Study 1
米国成人 201 名。
架空の企業で「①権限を握るが尊敬は得にくい役職」vs「②人望は高いが権限はない役職」どちらを選ぶかを質問。
男性は①を選ぶ比率が有意に高く、女性は②を優先。
Study 2
大学サンプル 154 名。
グループ課題で「リーダーになると給与配分を決定できる=権力条件」か「仲間から表彰される=尊敬条件」を提示し、立候補意欲を測定。
権力条件では男性の意欲が女性より高い。尊敬条件では性差が消失または反転。
Study 3
オンライン参加者 268 名。
交渉ゲームで「交渉権(パワー)」と「仲間評価ポイント(ステータス)」を配分する実行行動を観察。
男性は交渉権を多く取り、女性は評価ポイントを多く取る傾向。
仕組みの手がかり(同論文内の追加分析)
1. 支配志向(dominance orientation)の仲介
男性は「恐れられても構わない」支配的自己概念が高めで、これがパワー選好を部分的に説明。
関連: 男はなぜ孤独死するのかnishio.icon
2. 社会的コスト
女性は強い自己主張をすると「生意気」評価を受ける懸念が高く、権力より尊敬ルートを選びやすい。
その後の再現・発展研究
Townsend et al., 2024, Psychological Science
4 研究(N = 816)。「世界の有力者」リストの認知実験+IAT+自己報告。
①世間も 男性=パワー・女性=ステータス の連想を抱く。
②女性自身も無意識にステータスと自己を結び付ける。
③欲求の強さ自体 は男女差がないため、社会的ステレオタイプが表出様式を誘導していると示唆。
関連
オタサーの姫というケースはある
恋愛ゲームから降りる
一人の伴侶が決まったので不特定多数の異性からモテる必要はない
結婚してるのに異性にモテたがる人もいるんだよな〜
モテることが自己肯定感の大きな割合を占めてるんだろうか
僕はモテてなかったからそれが自己肯定感のソースになることもなく、結婚して「恋愛ゲームから降りられてよかった」となった
オタサーの姫もモテることが自己肯定感のソースになってそうだ