重いものが先に落ちると主張する人
gpt.icon「重いものが先に落ちると主張する人」は、ガリレオ以前の物理学の考え方を象徴する例えです。かつてアリストテレスの物理学では、「重い物体ほど速く落ちる」という説が広く信じられていました。しかし、ガリレオ・ガリレイはピサの斜塔での実験などで、この考えが誤りであることを示し、物体の落下速度はその質量に関係しないことを明らかにしました。
ここで「重いものが先に落ちると主張する人」とは、古い考えに固執し、新しい知見や証拠に目を向けない人を指しており、過去の権威や伝統に依存して変化を拒む姿勢の比喩として使われています。
nishio.iconガリレオ・ガリレイがピサの斜塔で実験したかどうかは不明確である。印象的なエピソードなので一人歩きしている。
アリストテレスの物理学はガリレオ以前から疑問が呈されていた
1554年、ベネデッティは、同じ重さの5個の球を同時に落とす運動を考えた。このとき、5個の球は同時に地面に到達する。しかし、5個のうちの4個の球をつなげて1個の物体と考えた場合、それは元の球の4倍の重さとなる。したがって、元の球の重さでも、その4倍の重さでも、地面に到達するのは同時だと考えられる。
(遅くとも1586年)ステヴィンらは、一方が他方の10倍の重さの2つの鉛の球を用意し、それを30フィートの高さから同時に落とした。そして、球が落ちる音が1回だけ聞こえたことから、アリストテレスの理論は正しくないと結論付けた。
1589年~1592年、ガリレオ・ガリレイがピサ大学教授
「4倍重いものが4倍速く落ちる」というのが誤りであることは容易に示せたが、重いものと軽いものが全く同時に落ちるのか、重いものが少し先に落ちるのかを示すのは、重量以外の条件を全く同じにすることの難しさから難儀しているな、面白い
1612年、ジョルジョ・コレジオは、ピサの斜塔から同じ材質で異なる重さの物体を落下させたと記録した。これは、ガリレオの友人でありアリストテレスを批判していたヤコポ・マッツォーニに反論するためであった。...コレジオの実験では、重い物体は軽い物体よりも速く落ちるという結果が得られた。したがってコレジオは、アリストテレスは正しいと結論付けた。