誰一人取り残さない
「一時的に取り残される人」をゼロにするために進む速度を落とすのか、「一時的に取り残される人」が出るのは仕方がないことで、出た後で解消すること「取り残され続ける人」にしなければ良いと考えるのかに幅がある。 ---
nikkeibusiness LINEヤフーの川邊健太郎会長が、日本の現状は「デジタル後進国」だと危機感を募らせている。政府の規制改革推進会議の委員に就任し、ライドシェアをはじめ規制改革を提言する。巨大ネット企業を率いる川邊氏に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の処方箋を聞く。 fpocket inclusive教育もそうですが、「誰一人取り残さない」という言葉の意味が誤解されているような気がします。デジタル化の文脈では、Audrey Tang氏がdigital resilienceという言葉を使い、「デジタルは人と人を繋ぐツール」と述べ、pluralityを啓蒙していることは日本でも広く知られてもよいと思います。 民間と比べて行政が遅れた理由をどう見ますか。
川邊氏:まず、既存のユーザーに対して優し過ぎたのだと思います。デジタル庁は「誰一人取り残さないデジタル化」をコンセプトに掲げていますが、これではうまくいかないと私は考えています。デジタル化はできる人から優先し、できない人は役所の窓口でスマートフォンの操作などのサポートをする。こうした2段構えが必要です。ある種の「悪平等」というか、最も使えない人に合わせようとするから、進みが遅いというのが1つです。 持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)別ウィンドウで開くの後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。