見つける力は10年後も必要か?
紙の本が主要な情報源である場合には、どの本のどのあたりに目的のものが書いてあるかを知ることが大事でした。
検索技術が進歩したことで、電子的な情報の中から必要なものを見つけるコストは格段に下がりました。 また、ユーザーが解決したい課題を投稿し、それにほかのユーザーが解決方法を投稿できるWebサービス(注1)が出現したことで、プログラミング上の具体的な課題を検索するとかなり高い確率で解決策が見つかるようになりました。
技術の進歩によって情報収集のコストが下がります。私が本書で言及している書籍・論文はほとんどが電子化されており、PCやタブレット端末から電子的に検索できるようになっています。「英語で検索して質問解答サイトを見る」といった新しい情報収集手段も生まれています。 ただ、「検索」は「誰かが経験して書いたこと」を見つける技術なので、まだ誰も経験していないことについては答えが見つかりません。「誰かが経験したこと」の情報収集コストがどんどん安くなれば、みんながそこをすばやく通り抜けるようになり、より多くの人が「まだ誰も経験していないこと」と取り組むことになるでしょう。 注1 2018年現在、私は具体的には英語圏のStack Overflowをイメージしています。なので「検索」も英語での検索をイメージしています。