自分攻撃の罠
他人を個人攻撃するよりもやっかいなのは、自分を責める個人攻撃の罠にはまることである。問題が改善されないまま続くことは同じだが、問題の根本原因が自分(の性格なり能力なり)にあると見なせば、問題を解決するには自分を変えるしかないことになる。これは多くの自己啓発書が「布教」する教説の根底にあるものだが問題解決の観点から見れば、実際的な問題解決を回避させるばかりか、無駄な努力を誘発させるデマゴギーである。 問題解決大全 p.312
この場合の実際的な問題解決とはなんだろうか。
問題の全体的な構造をまず把握して根本原因が存在するのかどうか、悪循環があるのかどうか、を把握して、それから問題を解決するために自分の行動をどう変えるのか考えなければいけないのに、近視眼的に原因を自分に帰着してしまう。 →関連: 「根本原因が存在する」は恒真ではない