第54回情報科学若手の会
招待講演
反転講演実験「学び方のデザイン 〜問題解決の選択肢を増やす」
こんにちは、西尾です。情報科学若手の会は、自分も20代前半から何回か参加していて、懐かしく思っています。
そんなわけで今回招待講演を引き受けたわけですが、正直なところオンライン講演で一方的に喋るだけではあんまり皆さんにとっての価値につながらない気がします。参加者の皆さんはITリテラシー高めなのだから、もっとITを駆使してより良い体験を作り出していけないかを模索したいです。
そこで、今回は講演部分を動画として事前に共有し、みなさんが好きな時間に好きな再生速度で視聴できるようにします。反転授業という手法の応用です。
みなさんは講演を視聴して疑問に思ったことなどを、いつでも好きなタイミングでScrapboxに書くことができます。講演を聞くことも質問を書くことも、同期的である必要がないので疎結合な設計にしたわけです。
イベント当日は同期的にしかできないことに注力しましょう。一方的な講演ではなく、パネルディスカッション形式で司会の方と対話的に進める予定です。
事前共有する講演動画は2021年6月に灘高校でOBとして講演したものを使います。講演資料は
にて公開済みです。
また、拙著「エンジニアの知的生産術」に関する質問ニーズがあることも把握しているので、それはScrapboxにそれ用のページを作ろうと思っています。
講演者: 西尾 泰和様
2006年、24歳で博士(理学)取得。2007年よりサイボウズ・ラボにて、チームワークや知的生産性を高めるソフトウェアの研究、今に至る。2013年「コーディングを支える技術」2018年「エンジニアの知的生産術」を出版。2014年技術経営修士取得。2015年より一般社団法人未踏の理事を兼任。2018年より東京工業大学 特定准教授を兼任。
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2021-09-07
動画を編集して貼った
7/18
Scrapboxを用意した
6/23
灘校土曜講座2021でやった「事前にslidoで質問を集めるスタイル」はslidoが1週間しかオープンできないのがやりにくかった 事前に資料を共有して、6日前からslidoをオープンしたが質問は集まらなかった
これはまあ「講演が先に動画で提供される本番は質疑だけ」ではないので慣習に従って講演を聞いてから質問する行動が主になってしまったのだろう
この問題をどう解決するか
情報のデマンドと情報のサプライがある時に、デマンド側は求める側であるが故に自分たちをサプライ側より低い立場に置きがちで暗黙に権威勾配が生まれる。
情報の価値はデマンドとサプライがマッチした時に生まれるので双方から情報が持ち寄られる必要があるが、デマンド側が「情報を受け取る側」の役割を演じてしまい、サプライ側が「情報を出す側」の役割を演じてしまうと、場の情報がサプライサイド一色になってしまい、化学反応が起こらなくなる。この時、場の状態を改善するアクションをデマンド側は権威勾配が原因で取ることができない。
場の状況を改善するにはサプライ側の人間がサプライを抑制したり、デマンドの情報を引き出したりするべきだったのだろうな。
質疑メインにするのはデマンドサイドの情報を集めることに寄与するが、喋り過ぎてしまう問題
タイムキーパーをおく?
→パネルディスカッションスタイルで「一方的に話を聞かせる」ではなく「対話する」というフォーマットにする