競合がいる時の探索戦略
この問題を解析するにはまず「特定の選択肢に殺到すると競争が激しくなり利潤が減少する」をモデル化する必要がある。
選択肢空間に未知の需要関数があり、ノイズ付きでしか観測できず、ガウス過程的に徐々に明らかになる。利潤が需要÷競合である場合に、利潤を最大化する戦略は何か?
全エージェントが「需要の期待値が最も高い所を選ぶ」という設定の場合、最初の人は情報がないのでランダムに選び、それが事前分布の期待値より小さい時、次の人はその周辺を避けて選ぶ。誰か1人がよい場所を見つけると残りの全員がそこに殺到してみんな死ぬ。
全てのエージェントが「需要の期待値を競合数で割ってそれを最大化」という思考の場合、誰かがよい場所を見つけると、次の人はその側で競合しないくらいの距離をとった位置にランダムに行く、その次は2人の情報から勾配を認識して山登りを始め、すぐにニッチトップが占められる。 #ニッチ その後、トップ周辺から徐々に埋まっていき、全て取り尽くすとまた未知の領域を探索する。トップが十分大きい時には取り尽くしの過程でトップと競合する戦略も取られる。
期待値プラス1標準偏差の場合は前の人が見つけたいい場所が期待値より1SD大きければ周りに行くし、小さければ他の場所を探す。
このモデルは現実の一部をうまく描写できてそうだけど、書いていて思ったのは先行者に参入障壁を作る能力がないし、成功した情報が全員に筒抜けだから、後から参入した人のせいで自分の利潤が下がることを防げないなー。飛び地を見つけて他人が気づく前に参入障壁作れるといいのだけど。 このモデルは商品開発に関しては良く記述していると思うけど、知識のポジション取りの点ではあまり適切ではない。どんなポジション取りをするのもコストが同等なのがまずおかしいし、ポジションの周辺の需要しか取れないのもおかしい。スキルの高い人はスキル要求水準の低い需要も充足できる。
市場に要求スキル水準がまちまちなタスクが出品されており、またスキル水準がまちまちな労働力が出品されていてマッチングされる…というモデル、タスク出品側も労働力出品側も市場の情報を見て出品を変えてくるからどう実装するか悩ましい。