種々の世界
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構成的思惟に対して直接に与えられるものは、感覚や知覚といった思惟によって構成されたものではない。それは主客合一の直観の世界であり、意志の対象界である。
我々の具体的な意識現象の背後には、超意識的な無限なるものが含まれている。意識は単に「時」の中にあるのではなく、意識の能動的な統一により「時」が成立する。
我々は現在をのみ直観すると考えられるが、過去を想起するということは過去を直観することである。記憶において繰り返されるものは感覚ではなく、感覚の背後に含まれていた超感覚的なものの発展である。
真に主客合一の直観の立場においては、すべてが現在であり、「時」はその中に消えていく。構成的思惟に対して直接に与えられるものは、このような無限に深い直観の世界なのである。
西田哲学の核心をなす「純粋経験」「直観」「意志」「主客合一」といった概念について、認識論の観点から考察が深められています。特に、意識現象の根底にある超意識的・超時間的なものの働きを重視し、そこに直観の本質を見出そうとする姿勢が印象的です。
直接に与えられるもの