科学とコミュニティ慣習と人事評価
「科学」という言葉に「ある科学者コミュニティにおける慣習」とか「ある組織における研究者の評価の仕組み」とかを含めるのは「壺に入れて混ぜてしまう」だ 高瀬: もともと科学には、メディチ家などのパトロンがいて、科学者達は彼らに手紙を送ってプレゼンしていたわけですよね。自分の研究はパトロンが持つ技術に役立つ、などと言って。 狩野: そのパトロンが一体どういう目線で支援していたかというと、自分の名誉を買うためだった(ピーター・ディア『知識と経験の革命』(みすず書房,2012年))...一方、名誉ではない役の立ち方が経済に資する...科学の価値って「名誉」と「お金」、本当にその二つだけなのか、という大きな疑問が湧いてきます。