神は細部に宿る
「神は細部に宿る(Der liebe Gott steckt im Detail)」という言葉がある。19世紀のドイツの美術史家ヴァールブルク,あるいは20世紀初頭の建築家ミース・ファン・デル・ローエが言ったとされるこの言葉は,いろいろな意味で示唆に富んでおり,さらに驚くべきことに,主語を「悪魔」に変えてもほぼ同じ内容を示すというほどになかなか奥深い。... 表面科学の世界には「神は固体(バルク)を作られたが,表面は悪魔によって作られた」と言うヴォルフガング・パウリの箴言がある。表面科学では細部に宿るものが悪魔であることが最初から織り込み済みなのかも知れない。