発表並列チャット
発表者が発表をしている時に、時間的に並列してチャットが存在する形式
発表の聴衆が発表中にチャットで会話をすることができる
筆者は2003年のプログラミングシンポジウムで初めて体験した
IRCであった
WISSでもやってるらしい
IRCのデメリット
もはやIRCクライアントを普段使っていない人の方が多数派
Lingr登場(2006年頃)時にプロシンではIRCからLingrへの移行に挑戦する が、会場から外のネットワークへの結合でトラブルが起きてチャットが利用不能になった
Lingrが用いていた通信技術Cometは、HTTPリクエストに対してサーバがレスポンスを返さずに握り続ける
これが会場ホテルの貧弱なインターネット接続と相性が悪かった?
プロシンはIRCのチャットサーバを会場内でRasPiで立てる形へ
2017年夏のプロシンではSlackでイベント開始前からチャットを立てた
メリット
発表者がすぐに自分の発表中のログを見ることができること
イベント終了後にも情報追加などができること
人脈形成の支援
使い方
発表者と発表タイトルをあらかじめ投稿しておき、その発表に関する話題はそれへの返信の形でぶら下げる
Facebookがリアルタイム更新をしなくなったことによりチャット的な使い方が困難になったことによって下火に
2019年現在、Facebookが使われているが、PCから開いた場合に自動更新がされないなどの問題から、別の方法がないかという議論になっている --- ブースト会議 2017年未踏ジュニアでは、Slackでプロジェクトごとのチャンネルが作られ、発表中の議論及びプロジェクト中のコミュニケーションが行われた
最終成果報告会はFacebookで行われた
未踏ジュニアでは11歳の採択者にSlackを使わせることが規約違反であるため、Microsoft Teamsを1年試した後、Mattermostを使う形になった 翌年未踏ITもScrapboxを採用した
未踏ジュニアは反転学習も採用して、発表動画は事前に発表ページに貼るスタイルである また年度を跨いで一つのScrapboxプロジェクトが使い続けられるためにこのプロジェクトが「プロジェクトを進めること」に関する実践的知識の集積になっている 未踏ITの側は現在のところイベントごとにScrapboxプロジェクトを作っている
「学会にあること」ではなく「発表に並列してチャットがあること」が本質だと思うのでこっちをメインにしよう
下にコピペした
学会チャット
学会発表で、発表者の画面と別にチャット画面を置くスタイル
nishio.iconはプログラミングシンポジウムで体験した。少なくとも2002年にはすでにあった。
とても有益なものだと感じている
WISSがさらに先に始めたらしい
イベントのたびにスレッドが作られ、そこで実況が行われる
Twitterのハッシュタグに似た感じだ、という意見もある
参加者が定められたハッシュタグでイベントに関する投稿をすることによって、参加者にとっての発表並列チャットとしての機能と、ソーシャルネットワークを介してイベントに対してアテンションを集めて、次回以降の集客の助けにすることの一石二鳥の効果があった プロシンや情報科学若手の会ではTwitterの投稿をIRCに中継するbotが運用されていた
なんとなく共通のものと捉えていたが「学会発表で、発表者の画面と別にチャット画面を置くスタイル」の「発表者の画面と別にチャット画面を置くスタイル」のところには差がある
発表に並列してチャット(やFacebookグループ)がある、という段階と、それがプロジェクターで発表者の隣に投影されている、という段階
前者の段階でも「口頭でのフィードバックに限定される状況と比べて、発表者が圧倒的に多くのフィードバックが得られる」というメリットはある
IRCなどの単一チャンネルでプロジェクタ投影する場合、参加者に対して「注目すべきチャット」が1点に限定される
一方でFacebookのような発表ごとのスレッドがあるタイプのデメリットとして、注目すべき点が一点に定まらない
未踏系イベントでは発表者ごとに事前にスレッドを作っておく運用&それがOB/OGに事前に伝わっているので個別の発表に関してはスムーズだが、イレギュラーなゲスト講演に対して「ゲスト講演」のスレがあることに気づかずに「雑談」のスレに書いてしまう&書いている最中にはその分断に気づけない、ということが起こる
次の発表が始まったのに直前の発表の議論を続けてしまう人がいる
これは次の発表者にとってはデメリットだが、時間に縛られずに前の発表者の発表についての議論を深められるという点ではメリットかもしれない