歩く目線と飛行機の目線
https://gyazo.com/7827249938e65563fc67d6050d88a446
1: 歩く目線で見える景色は例えばこのようなもの
緩やかに曲がった道が特徴的ですね、そのせいで先は見えません
2: 日常生活のスケールの地図はこんな感じ
この先に交差点があって郵便局と公園があるぞ、さらに先に行けば最寄駅だ、みたいな認識
赤丸と道と交差点は実際の地図からトレースしました
1の絵が書かれた地点の道の曲がり具合はこの程度のもの
この地図のスケールでの認識では無視される情報
3: 鉄道網の地図はこんな感じ
2では駅が1つしか書かれていなかった
その駅の間の接続関係を描いているのがこの図
2の図で書かれた範囲はこの地図では点ほどのサイズになる
この図の元ネタはGoogle Mapで「大阪市営地下鉄」を検索すると見ることができます
なので地理的形状は維持されている
路線図を検索すれば、地理的形状を歪めて駅の接続関係を見やすくした図が見つかるでしょう
同じスケールでも表現したいものが異なれば捨象されるものが変わるわけです
4: 飛行機の目線で見えるもの
海!陸!大きな湖!山!都市!
元ネタの画像が見たい人はGoogle Mapで近畿周辺をみたり、「近畿 航空写真」で検索すると良いでしょう
川は下流は見やすいのだけど、上流はこんなにハッキリとは見えないです
KJ法の図解化は飛行機から景色をみるようなもの、叙述化は街に降り立って観光をするようなもの
文章を読むとき、それは歩く目線です。少し先の段落で何が語られるのか分かりません。先の交差点が見えない曲がった道と同じです。
だからまともな書籍にはよく整理された目次がついています。それは地図のようなものです。 目次を読まずに本を読むのは、地図を持たずに未知の観光地に降り立つようなものです。迷子になったり、右側に重要な観光スポットがあるのに左側ばかりを見ていて見逃したりします。
文章を書くときも、歩く目線です。地図を持たずに行き当たりばったり歩き始めると、行きたかった場所ではないところに着いてしまったり、行き止まりに入ってしまって引き返す羽目になったりして、とても時間が掛かってしまいます。
歩き慣れた町なら地図がなくても歩けるかも知れませんが、未知の観光地で同じことはできません。
地図を用意することに時間が掛かるとしても、地図なしで迷うことによって失われる時間が大きいなら、地図を用意する方が有益な時間の使い方になります。
2022/7/7
エンジニアの知的生産術p.170では「全体を俯瞰する鳥の目と、細部に注目しながら着実に進んでいく虫の目」というたとえを使った その後川喜田二郎が飛行機の話をしているのを見て、こちらの例えの方がいいなと思った
飛行機からの視点を経験した人は多いが、鳥の視点を経験した人は少ないから
それに合わせて虫の側も「歩く視点」に変えた