既に各地の地方自治体で多種多様なオープンソースが採用されている
既に各地の地方自治体で多種多様なオープンソースが採用されている
nishio もしかしてなんだけど、そもそも現時点で既に各地の地方自治体でオープンソースのプロダクトが採用されてることをご存知ない方がいるのでは?
というわけでo3にまとめてもらった
nishio 確かに市民サイドに露出してない使われ方に関しては自治体職員じゃないとわからないだろうし、そもそも職員でも使ってるソフトウェアがオープンソースなのかどうかは見た目でわからないと思うから、知られてないことを前提として説明した方がいいね
nishio.icon日本の自治体におけるオープンソースプロジェクトの採用事例をまとめて
o3.icon
日本の自治体が実際に運用している主な OSS 活用例を、分野別に整理しました。CMS やオープンデータ基盤など“住民に直接触れる層”から、庁内業務を支えるオフィススイート・GIS まで、採用範囲は年々拡大しています。以下では代表的なプロジェクトと具体的な自治体名、得られた効果・留意点をまとめます。
1. ウェブサイト/CMS
SHIRASAGI
SHIRASAGI公式サイト
主な採用自治体 導入年 特徴
北海道公式サイト 2021 道庁全体サイトを移行しアクセシビリティを強化
浜松市「ぴっぴ」子育て情報 2022 多言語化とスマホ最適化を OSS で実現
美馬市公式サイト 2023 LGWAN 上でのフル OSS 運用事例
Ruby 製 CMS。ライセンス費ゼロでアクセシビリティ修正が内製できる点が評価され、導入実績は 150 団体超 。
Joruri CMS
自治体向けコンテンツ管理システム「Joruri CMS 2020」
Joruri CMS 自治体公式サイトの導入事例 | 自治体向けコンテンツ管理システム「Joruri CMS 2020」
函館市・登別市(北海道)、交野市(大阪府)、亀山市(三重県)ほか多数が最新版「Joruri CMS 2020」に移行。
徳島県では県内 24 町村を一括ホスティングし、運用コストを削減。
2. オープンデータ基盤(CKAN)
福岡市 | 2014
全国初期組の CKAN 採用、現在 1900+ データセット
組織 - 自治体オープンデータのCKAN
横浜市 | 2016
区単位で組織管理・API 提供
組織 - 横浜市オープンデータポータル
札幌市 | 2019
“DATA-SMART CITY SAPPORO” ブランドで展開
札幌市ICT活用プラットフォーム | DATA-SMART CITY SAPPORO
CKAN は Python 製 MIT ライセンス。API が標準で、民間アプリとの連携がしやすい点を自治体が高く評価。
3. オフィススイート(LibreOffice/OpenOffice)
龍ケ崎市(茨城県)― 2009 年から OpenOffice→LibreOffice に全面移行し、年間 900 万円規模のライセンス費を削減
PDF
徳島県・会津若松市・久喜市 ほか ― LibreOffice 導入で文書作成コストを削減し、ODF 標準化を推進
LibreOfficeの導入事例 - The Document Foundation Wiki
4. GIS(QGIS)
西宮市(兵庫県) ― 高価な専用 GIS の代替として QGIS を全庁端末にプリインストール、道路台帳や防災図を職員が自力更新できる仕組みに刷新
PDF
ソフト費ゼロ、地図作業の外注比率を 50 %→15 % に圧縮。
5. 市民協働アプリ/通報系 OSS
FixMyStreet Japan
神戸市・姫路市など兵庫県内複数区 | 道路破損や不法投棄を市民が通報する仕組み
FixMyStreet Japan | 地域・街の課題をスマホで解決
仙台市・別府市・生駒市
地方都市で利用が拡大。地方ほど課題解決効果が高いとの分析
🛠FixMyStreet全国利用状況レポート|なぜ東京や大阪で使われず特定の市町村で多くの報告があるのか?|東北イタコ(Tohoku I-ST)
Open311 系 API を採用し、写真付き通報→担当課チケット化を自動化。
6. ファイル共有/グループウェア
Nextcloud
栃木県足利市が LGWAN 端末向けファイル共有を Nextcloud で構築、クラウドサービスへのローカルブレイクアウトと組み合わせて運用
オンプレ構築で情報系・庁内系を分離しつつ、共有リンクと二要素認証で外部協働を実現。
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共通のメリットと課題
メリット
コスト削減
ライセンス料を抑え浮いた予算を DX 施策に再投資(例:龍ケ崎市)
ベンダーロックイン回避
ソース公開で改修を庁内・地元 SIer に委託できる(SHIRASAGI、CKAN)
コミュニティ支援
国内 OSS コミュニティと職員が共創することで、障害対応が迅速に
課題
運用・セキュリティ体制
LGWAN 対応のクラウドホスティングや有償サポートを利用
ドキュメント整備
LibreOffice 導入自治体がテンプレートや移行手順を共有し標準化推進
まとめ
CMS(SHIRASAGI/Joruri)、オープンデータ(CKAN)、業務基盤(LibreOffice・QGIS)、市民協働(FixMyStreet)といった OSS が「情報公開・行政効率化・住民参加」を支える中核になりつつあります。
既存実績の多い分野から段階的に導入し、自治体横断でノウハウを共有することが成功の鍵と言えるでしょう。
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chekichekimusu1 たぶん知られてない都市OSのFIWAREとか
yasulab Ruby/Rails 周りだと Joruri やRedmine 等の採用をよく聞きますね!
比較的大きな事例だと国民年金基金連合会のシステムで、全国の厚生年金適用事業所 (250万ぐらい?) を対象としたシステムで OSS の Redmine が採用されたと伺っています...!!