掛け合わせニッチトップ戦略
世の中には「知識Aと知識Bを両方持っている人が必要」というニーズがある。
以下の3人を考える
100の時間を知識Aに投資した人(100, 0)
100の時間を知識Bに投資した人(0, 100)
100の時間を両方に投資した人(50, 50)
効用が単なる和なら全員同じ。
だが「知識Aと知識Bを両方持っている人が必要」というシチュエーションで、どちらかのドメインの知識が0の人が選ばれるとは思いにくい。
つまりmin(a, b)とかa * bとかのような、両方ほどほどにあることを評価する効用関数である
このようなニーズが実際に存在するので、複数の分野を学ぶことによってそのニーズを満たそうとするのが「掛け合わせニッチトップ戦略」である。西尾の造語。
明確に言語化されていなかったが、振り返ってみると2011年から繰り返し似たコンセプトに言及していた。
上記のモデルでは投資した時間に対して線形に知識が得られる。
もし知識獲得が逓減するなら、単なる和の効用でも複数分野を学ぶことが有利
知識獲得が逓増すると考えることもできるが、市場のトッププレイヤーだけが効用を独占する、というモデルの方が現実に即してそう
複数人でのチーム形成を考えた際に、(100, 0)と(0, 100)を組み合わせても考え方や優先順位が違い、利害調整のコストが大きくオーバーヘッドになる、という指摘 2018-01-09