持っていないことを誇る人
GPT5.icon
「捨ててしまえ」は、禅の名句「放下著(ほうげじゃく)」のことです。代表的なエピソードは次の公案。 嚴陽尊者が趙州(じょうしゅう)に問う:「一物不将来(何も持たない境地)なら、どうすればよいか」
趙州:「放下著(捨ててしまえ)」
尊者:「もう何も持っていないのに、何を捨てるのか」
何を「捨てる」のか
物体ではなく「掴んでいる心」を捨てます。
実践的な含意
道元は坐禅の要点として「放捨諸縁・休息万事・不思善悪」を掲げます。つまり、善悪評価や作為をいったん降ろし、ただ坐ることで「身心脱落」を体験的に学ぶ、という方向です。(Scribd) 「捨てる」モチーフの姉妹篇(参考)
丹霞焼仏:木造の仏像を焚いて暖を取った逸話。偶像(かたち)への執着を焼き払い、本質に立ち返れという痛烈な比喩として語られます。(engakuji.or.jp) 川で女性を背負った僧:年長の僧が女性を運び、後で若い僧が咎めると「私はとっくに降ろした。まだ背負っているのは君だ」と応じる話。出来事よりも心中の執着を降ろせ、という教え。(The Still State) 使い方のコツ(超・実務向け)
1. いま掴んでいる評価・不安・結論を心中で一語に名付ける(例:「不安」)。
2. 「放下著」とだけ心中で唱えて、呼気に合わせて“ふっ”と緩める。
3. それでも離れないときは「担いでいる」と自覚するだけでOK(抵抗=再付着なので)。
――この「気づき→緩める→付着の自覚」自体が、公案の三行を日常で反復することになります。