抗議とデモの違い
Audreyの発言(英語原文)
“Protesting is when you’re against something — we’re against air pollution. Demonstrating is to show — this is how you measure air pollution, right? So, have the mentality of a demonstrator means that people in the government, or people who are bridges between the civil society and the government, have something to bridge into. But if you only protest and not demo, then there’s nothing to bridge into.”
(和訳)
「抗議とは何かに反対することです。 --- "私たちは大気汚染に反対する"など。デモとは具体的に示すことです --- "こうやって大気汚染を測定するんですよ"というように。だから、デモンストレーターの心構えを持つということは、政府や、あるいは市民社会と政府をつなぐ人々が、"協力のきっかけ"をつかめるようにするという意味なんです。抗議するだけでデモ(解決策の提示)をしないのであれば、そうした“橋渡し”をするものがないわけです。」
解説
“Protest”は「何かに反対する」ための行動
例:「大気汚染に反対する」等。政府や社会に対して「嫌だ」「やめろ」と声を上げることが中心です。
“Demonstration”は「解決策や具体的な方法を提示する」行動
例:「大気汚染はこうやって測定し、改善策を一緒に実行しましょう」のように、ただの反対ではなく「こうすれば良い」という手段を示します。
オードリーは、「ただ反対を表明(protest)するだけだと、政府と社会との“橋渡し”が生まれにくい」と言っています。
反対意見を表明すること自体は大事ですが、それだけでは行政が協力したくても「具体的に何をすればいいのか」分からず、建設的な対話や共同作業につながりにくいのです。
一方、「解決策を具体的に示す(demonstrate)ことで、政府や橋渡し役の人々も協働の足がかりを得られる」としています。
つまり、反対運動から一歩進んで、実際に手を動かしたり、技術・データを使った方法を提案すると、行政も「それなら一緒にやってみよう」と乗りやすくなり、社会全体で課題解決を進めやすくなるというわけです。
まとめ
Protest(抗議)=「○○に反対だ!」と声を上げる
Demonstration(デモンストレーション)=「具体的にこうすれば解決できるよ」という手段・方法を示し、行動で示す
オードリーは、「単に反対を叫ぶのではなく、具体的な方法を“デモ(demonstrate)”して行政に見せると、協力のきっかけになる」と強調しています。
補足nishio.icon
日本だと「デモ」という言葉がエンジニア以外の人には「抗議活動」を連想させてしまう傾向があると思う
「〜〜反対!」と叫びながら道を練り歩く活動とかね
エンジニアの側には「具体的に示す」の意味の方も認知されてると思う
たとえば情報処理推進機構が"Mitou Demo Day"というイベントをしてるけど、これは抗議活動をしているわけではなく未踏事業の成果報告会みたいなもの