州はどのようにして生まれた?
from 民主主義のスケーラビリティについて考える
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州はどのようにして生まれた?
それらの州は連邦する前はどのようにして生まれたの?nishio.icon
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連邦化する前の各州、すなわち13植民地は、16~18世紀にイギリスからの移民たちが、目的や背景の異なる形態で築いたものです。たとえば、宗教的自由を求めたピューリタンが建設したニューイングランド植民地(マサチューセッツ、ロードアイランド、コネティカットなど)、商業や多様な移民集団によって設立された中部植民地(ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルヴァニア、デラウェアなど)、およびプランテーション農業を中心に展開した南部植民地(ヴァージニア、ノース・カロライナ、サウス・カロライナ、ジョージアなど)がありました。これらは、会社植民地、領主植民地、自治植民地といった異なる制度のもとで設立され、各々が独自の自治機関(植民地議会など)を発展させながらも、最終的にはイギリス本国の権限下にあったため、重税や代表権の欠如などに対する不満が蓄積し、アメリカ独立戦争へとつながっていったのです。
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王領植民地
国王が直接統治する形で設立され、総督が国王の代理として任命されました。代表例として、ニューハンプシャー、ニューヨーク、ニュージャージー、ヴァージニア、ノース・カロライナ、サウス・カロライナ、ジョージアなどが挙げられます。
領主植民地
国王から特許状が授与され、個人または家族が統治権を持って設立した植民地です。ただし、最終的な権限は国王に属していました。ペンシルヴァニア、デラウェア、メリーランドがこれにあたります。
会社植民地とは、政府から特許状(勅許)を受けた民間企業(特許会社)が、出資者から資金を募り、海外での植民地開拓や統治を行う形態を指します。
これらの会社は、政府から独占的な貿易権や徴税権、場合によっては行政権も与えられ、遠隔地の領土拡大や資源収奪を目的として設立されました。代表例として、イギリス東インド会社やオランダ東インド会社があり、民間資本を背景に大規模な植民地経営を行いました。
自治植民地
移民たち自身が議会(植民地議会など)を通じて自治を行うことが認められた植民地です。コネティカットやロードアイランドが代表例です。なお、マサチューセッツは元々は王領植民地でしたが、後に住民選挙によって総督や議会が選ばれるようになり、半自治的な性格が強まったとされています。