将来世代法案
立憲民主党は、将来世代の視点で環境・エネルギー政策の検証や政府への提言を行うため、専門家や若者で構成される独立調査委員会を国会に設ける「将来世代法案」(仮称)の骨子案をまとめた。原発の建て替え容認をはじめ、政府が重要な方針を国会の議論を素通りして決めている現状に一石を投じる狙いがある。今後、市民の意見も反映させて内容を固め、超党派で来年の通常国会に提出することを目指す。(大野暢子)
これまでの進捗
2022 年12月 ― 東京新聞が骨子案をスクープ。
2023 年6月 ― 党内に試行版「立憲民主党未来世代委員会」を発足。委員11 人、月1〜2回会合で政策検証を実施。
2024 年10月 ― 政策集 2024 で「未来世代法制定を目指す」と明記。
2025 年春 ― 関連する年金・エネルギー法案審議の中で「将来世代委員会」の必要性を与野党委員が言及し、超党派協議を継続中(提出時期は未定)。
4. 論点と課題
4-1 与党・省庁との温度差
「環境エネルギーに限定すれば効果が限定的」とする自民党・官僚側の慎重姿勢。
立法事務局は「既存委員会との権限衝突」を懸念。
4-2 スコープ拡大の是非
市民団体は貧困・教育など社会政策も対象に入れるよう要望。
党内ではまず気候・エネルギーに的を絞り、実績を積んで拡張する段階論が優勢。
4-3 実効性確保
勧告を「努力義務」に留めず、EBPMに紐づくKPI設定や予算査定への接続が鍵。
ウェールズ法は「説明責任義務+司法審査誘発」で実効性を担保しており、日本版でも制度設計が課題。