地方のサービス提供者は地方の素人
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地方の人々は、自分たちが住む地方の魅力を知らないことが多い。 「自然や食事など、多くの魅力があり、それをより多くの人に知ってもらいたい」と言うが、地方のレストランやホテルを利用する地元の人々は少なく、主な客層は都会の人々や外国人観光客である。
地方のサービス提供者は、自分たちの地方をよく知る専門家ではなく、地方の素人と言える。
地域のリーダーたちは、
さまざまな地方を訪れることで、新たな視点やアイデアを得るべきである。
自分の地域の特徴を活かして競争し、優位性を見つけることが必要である。
他の先進的な地域を訪れて、その成功事例を学び取るべきである。
自身が他の地方を訪れない限り、自分たちの地方に人々を呼び寄せる試みはエゴとなり得る。
移動距離が大きい人、つまり多くの場所を訪れる人が成功しやすい傾向にある。 経済的な成功は、学生時代の偏差値よりも、人々の観察力や新たな視点を持つことにより生まれることが多い。 地方の人は驚くべきほど「地方」を知らない
私は仕事やプライベートで日本の様々な地域や地方に行くことが多い。様々な地域のリーダーや観光資源で頑張っている人たちと会うことが多い。で、いつも思うのは、本当に地方のことをまるで知らないことだ。
ここは本当に素晴らしいんだよ。自然が豊かで水がきれい。酒も美味しいし、海も山もある。きのこや山菜も豊富だ。米もうまい。食事も美味しい。本当にこんな素晴らしいところを多く知ってほしいと口を揃えて言う。そしてそれは事実である。47都道府県全部そうだ。東京都でさえ、離島や檜原村とかにいけばそうだ。
一方で、地方のレストランやHOTEL、宿に地元の人が来ることは少ない。お客様は都会の人やインバウンドの外国人だ。そして都会の人やインバウンドの外国人は様々な選択肢からそれを選び、かつ様々な地域を体験して比較検討している。地方に対して目が肥えている。地方の専門家なのだ。お客さん以上に地方を回っているサービス提供者はほとんどいない。地方のサービス提供者は地方のアマチュアなのである。
地域で頑張っている人たちはたまに東京に視察に行くこともあるが、ほとんど他の地方に行くことは少ない。地方や地域の人で日本中を駆け巡っている人をほとんど知らない。もちろん少数はいるが、そういう人は本物の地域のリーダーだ。
イケてるオーベルジュやHOTELなどのオーナーやリーダーと話すと、だいたい身銭を切っている人が多い。旅をしまくっている。オフの場面で最近どこの宿がよかったとかという情報交換が楽しかったりする。そういう宿は進化をし続ける。
東北の人で九州に旅行をしている人は非常に少ない。逆も真なりだ。和歌山の人は九州も東北も行ったことがないひとは多いだろう。地方の人は東京との比較で地方を語るが、実際に観光という側面においては地域間の比較で選ばれていることは当然のことだ。なので、「おいしい」ということについても、相対的な比較感がないとビジネスとしては「まずい」わけである。沖縄の先端事例のAというHOTELやオーベルジュに対しておいしいのかおいしくないのか、景色やサービスの洗練性はどうなのか、ということに対して意識をしないといけない。でも、だいたいのひとは、時間がない、カネがないといって何もしないし、人も採用できないとかいって文句ばかり言っている。
もちろんそういう状態はわかるが、もう地域間競争は始まっているわけだし、お客さんを集めているところの地域は地域間のリーダーの交流が緊密だ。それぞれの地域の特徴を活かして、客観的な優位性を見出してそこで勝負をしている。文句を言ってなにもしないひとは淘汰をされるのだ。当たり前である。
身銭を切って投資をしないといけない。身銭を切って投資をしないから、カネがないし人も採用できないのだ。
それにうちのところに来て来て、関係人口を増やしたいと言っても、自分が他の地方を回らないならただのエゴではないか。
富山県でも私は地域のリーダーにいつも言っているのは、旅をしよう、他の先進事例をみて盗もうと言っている。別の観点では、そのような地方のリーダーがまだまだ少ないので、地方を歩くことの価値は非常に高いのだ。
そもそも経済的に成功をしている人はだいたい移動距離が大きい。それは経済的に成功をしているから(お金を出せるから)移動ができるという因果関係であるように見えるけれども、観察する限り、若い時から(お金や地位がないときから)移動距離が他の同世代の人たちよりも大きかったように見える。少なくとも自宅と会社の往復がもっぱらな人は付加価値のある仕事をすることは難しい。まあ多動症っぽい人が成功しやすいのとも関係しているのかもしれない。比較対象する材料が多いほどアイデアが出やすいのだろう。
少なくとも経済的な成功にはそれほど学生時代の偏差値的な優越はほとんど関係ない。偏差値が高いと相対的にベターなサラリーマンになれるということだが、普通な自営業者で、より手数が多く、切り口の多様性がある人のほうが成功しやすい。別にスタートアップでIPOするんだと息巻かなくても、面白い人生をデザインする方法は山のようにある。そのためには、人の観察と落差の発見が大事だ。その非常に手っ取り早い方法は居場所を変えることであり、旅であったりする。
なので、私が言いたいことは、地方のリーダー(やリーダーを目指す人)は地方をどんどん旅をしようということだ。