台湾のJOINで高校生の提案が制度改善につながった
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2016年、高校生が公共政策ネット参加プラットフォーム「JOIN」で「睡眠不足解消のため始業時刻を遅らせてほしい」と訴え、6,500件超を集めて教育部の正式検討を引き出した。
続いて2020年には中学生が「国・高中の授業を9 : 30開始に」と提案し、1万件超の賛同を獲得して公開協議が開催された。
両提案を踏まえ教育部は2022年8月から早自習を週1日に制限し、8 : 10までの登校なら遅刻扱いにせず、朝テストも禁止する新ガイドラインを施行し、生徒の睡眠確保へ制度を改訂した。
変更前の「典型的な1日」
◇ 2016年12月施行の旧ガイドラインでは、週 2 日以上だけ生徒に自主運用を認め、それ以外は学校裁量で「早自習(朝課外)」「朝会」を組める設計でした。
これを多くの高校が「毎日 7 時 30 分までに登校し、8 時10 分の 1 限前に小テストや指名発表を行う」という運用に拡大し、遅刻は欠席・警告扱いとなっていました。
授業は 7 限(50 分×7)を原則とし、第 8 限の補習・部活動を入れる学校では 17 時ごろ下校になるのが一般的でした。
結果として高校生の平均睡眠時間は 6.9 時間しかなく、約 9 割が 8 時間未満という慢性的な睡眠不足が問題視されていました