価値は送り手ではなく受け手が決める
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Aさんの「知識の価値」が何を意味するのかは自明ではない。 他人がAさんの知識に価値を感じるかどうか、という観点から考えると、それは他人が持っている知識によって変わる。
BさんはAさんの知識に価値を感じないが、Bさんと全く同量の知識を持つCさんはAさんの知識に価値を感じる。
知識の量が多いと、他人から価値を感じてもらえる確率は高まるが、比例するわけではない。 「Aさんの知識の価値」は「Aさんの属性」でも「Aさんの知識の属性」でもなく、他人との相互作用の中で生まれるもの。
より具体的な話として、たとえば毎日数時間を特定のゲームに費やしている人がいたとして、その人はそのゲームについてきっと膨大な知識を持つだろう。知識の量に価値を見いだすなら、ゲームの知識もまた価値があることになる。
僕は、知識自体に価値があるのではなく、その知識を求める人がいる場合に、求める人が支払う対価によって価値が決まる、と考えている。ゲームの知識が、たとえば攻略サイトを見れば誰にでも得られるものであれば、脳内にゲームの知識が入っているAさんに対して対価を払う人は多くない。その結果として、ゲームの知識にはあまり価値がない、と認識されることになる。