企業文化
定義 by Edgar Schein
集団によって共有され、
その集団の認識、思考、感情、およびある程度の顕在行動を決定する、
社会の仕組みまたはそのあるべき姿に関する
暗黙の基本的な一連の前提
C-T-R社はその3年前の1911年に3つの会社が合弁して生まれ、前身となる3つの会社の所在地はそれぞれニューヨーク、ワシントンD.C.、そしてオハイオと地理的に離れていました。そのためか、この会社は一つの組織としては機能していませんでした。ワトソンは、この3つの組織を一つにまとめあげること、つまり、経営面だけではなく信念やプロセスも共通にすることが自分に課せられた最重要課題の一つであると悟りました。
今日われわれは、このように組織を結びつけるものを企業文化と呼び、この言葉の考案者であるマサチューセッツ工科大学スローン・マネジメント・スクールのエドガー・シャイン(Edgar Schein)教授は、「集団によって共有され、その集団の認識、思考、感情、およびある程度の顕在行動を決定する、社会の仕組みまたはそのあるべき姿に関する暗黙の基本的な一連の前提」と定義しています。ワトソンは、非常に意識的かつ広範囲に企業の文化を築いた最初のビジネス・リーダーと見なされています。著作家のトム・ピーターズ(Tom Peters)とロバート・H・ウォーターマンJr.(Robert H. Waterman Jr.)は、ビジネス分野の名著であり、IBMを大きく取り上げた2人の共著である “In Search of Excellence(邦題 : 『エクセレント・カンパニー』)”の中で、長期にわたる成功の秘訣の一つとして、個人の尊重に根差した価値観に基づく強固な経営哲学を創造する能力を挙げています。「これらの企業に活気を与えているのは組織の方策、仕組み、方法、および価値観の充溢であり、そのすべてが相互に強め合うことで、普通の人々が非凡な成果を達成し得る真に際立った企業となっている」と二人は書いています。