付箋が膨大な時の表札作り加筆案
2019-04-24
日本語が得意すぎることによって、この節は文字だけで書かれているのだけども、英語に翻訳する過程で英文で読み直したら「これを文字だけで説明するのは無茶なのでは?」と思った。 著者も、編集者も問題だとは思わなかったけど。これは、二人とも日本語が得意すぎるので、気づくことができなかったのである。
というわけで図解。
https://gyazo.com/93aca534b3d2d01f42bff9583a62b49a
まず600枚の付箋がある(A)
一覧できる程度の分量として150枚取り出す(B)
残りは450枚(C)
Bに対してグループ編成をする
5枚程度のグループが25個できたとしよう(D)
残りは25枚(E)
25個のグループをそれぞれ表札をつけて束ねることで見た目の枚数が25枚になる(F)
EとFを合わせて50枚(G)
空間が空いたので一覧できる分量150枚になるように補充をする
450枚のCから100枚取る(H)
残りは350枚(I)
HをGに合流して150枚にする(J)
これに対してBに対してやったのと同じようにグループ編成を行う
この方法は「唯一最良の方法」ではなく「筆者がこの本を作る際に使った一つの方法」に過ぎない。
この図を作っている過程で、いくつかバリエーションを思いついたので、比較して考えてみよう。
言及しやすくするためにこの手法をメソッド1と呼ぶことにする。
メソッド2の説明
https://gyazo.com/b6abc96fb4b08c24a7d7585a27492cfc
Fまではメソッド1と同じ
まず600枚の付箋がある(A)
一覧できる程度の分量として150枚取り出す(B)
残りは450枚(C)
Bに対してグループ編成をする
5枚程度のグループが25個できたとしよう(D)
残りは25枚(E)
25個のグループをそれぞれ表札をつけて束ねることで見た目の枚数が25枚になる(F)
Eは脇にどけておく
Fと合わせて一覧できる分量150枚になるように補充をする
これに対してBに対してやったのと同じようにグループ編成を行う
Eは「1回グループ編成を試みたがうまくまとまらなかった付箋」なので、脇にどけておく発想は自然だ。このメソッド2を議論する前にメソッド3も紹介する。
メソッド3の説明
https://gyazo.com/b8a66b3d5e3f6ced5eeb868cf01a3644
Fまではメソッド1と同じ
まず600枚の付箋がある(A)
一覧できる程度の分量として150枚取り出す(B)
残りは450枚(C)
Bに対してグループ編成をする
5枚程度のグループが25個できたとしよう(D)
残りは25枚(E)
25個のグループをそれぞれ表札をつけて束ねることで見た目の枚数が25枚になる(F)
EとFは脇にどけておく
Cから150枚取り出す
これに対してBに対してやったのと同じようにグループ編成を行う
これはEもFも脇にどけておく。理由をつけるのは簡単だ。「EもFも1回グループ編成フェーズを通った付箋だ。まだグループ編成フェーズを通ってない付箋と混ぜるのはおかしい、すべての付箋が同じ回数グループ編成を通るべきだ」とかね。なんだったら600枚の付箋をあらかじめ150枚ずつに4分割しておけばいい。4回グループ編成をすれば良い。
手順もシンプルだし、頭で考えるとメソッド3を使うのが一番良いように思うかもしれない。
自分はなぜメソッド3を使わなかったのだろう?少し考えて理由がわかった。
2回目のグループ編成フェーズで「あっ、この付箋に関係しそうな付箋を前に見たぞ」となる。この時に、その「前に見た付箋」はどこにあるだろうか。メソッド3だと、今一覧表示している中に存在しない可能性がある。
「なんか関係しそうな付箋を見た気がするぞ、どんな付箋だったかな」という気持ちは、その付箋を見つけて側に並べることで記録される。この「見つけ出す」ことが困難になるのだ。
人間はコンピュータと違って「処理が終わった付箋のことを忘れる」という処理はできない。
「処理が終わったものを脇にどけておこう」と考えるかもしれないが、人間の脳はそのような処理をできるものではないのだ。
というわけで、メソッド3は見た目のシンプルさに反して、実際にやると「どけておいたものを再度参照する必要性」が生まれて複雑になる。同様の理由で、メソッド2も同じ問題が発生しうる。
例えばこのプロセスを途中で中断して、時間が空いたとしよう。その場合には、作業した付箋のことを忘れている確率が高いので、メソッド3のように「すでに処理したものはどけておいて、まだ処理していないものだけでやろう」とするのも良い選択肢になるだろう。
こう考えると、そもそもの150枚取り出すところでも「最近書いたものから順」にするのが良いかもしれない。なぜなら、最近書いたものほど記憶に残っている可能性が高いから。