二種類の遊動性
遊動的狩猟採集民
贈与の互酬性
狩猟採集民社会
純粋贈与
柄谷は互酬原理が定住後に形成されたと考える
25〜50人程度
食物の共同寄託=平等分配
共同での狩猟
絶えず移動するので、収穫物を備蓄できない
国家を回避する互酬制原理
柄谷「農業によって定住するようになったという考えは疑わしい」
狩猟採集民も定住する
定住しても生産物の蓄積と、富と力の不平等を生じなかったケース
阻止するメカニズムが発明された
これを「定住革命」と呼ぶ
氏族社会は国家形成の前段階ではなく、国家社会に至る道を回避する企て 高度な社会
国家を超える道
神の命令に頼らずに互酬性を導入するには?
原父は存在しなかった
家族の結合は脆弱だった
国家=原父
この形成を防ぐ
トーテミズム
原父殺しの反復
フロイトは殺された原父が回帰すると考えた
柄谷は定住によって失われた遊動性、それがもたらす自由と平等と考えた
二種類のノマド
農耕と牧畜は原都市で出現した
チャイルド
農業・牧畜→生産力拡大→都市の発展→階級的な分解→国家
逆
「原都市」は共同体間の交易の場として始まった
交易→原都市→情報蓄積→農業
柄谷はこの仮説を支持する
牧畜が飼育の発展として起こったという考えを批判
牧畜対象である羊などは、草原で群れで生きている生物
草原で発生した
柄谷: 情報が蓄積する原都市で発明された
農耕と牧畜が発明
農耕民と遊牧民が分化
遊牧民が原都市を出て遊動した
遊動的狩猟採集民にあった遊動性を回復した
遊牧民が農耕民を征服し従属させる
国家の形成
服従すれば保護する、という交換
交換様式B
共同体の内部から絶対的な権力者は生じない
王権が成立するために外部からの征服が必要
征服が行われなくても、征服の脅威に対する防衛が集権的な国家を作る
遊牧民は共同体の間にあり、商業と戦争を通じて共同体に浸透する
遊牧民の遊動性は交換様式BとCである、Aではない
ノマドロジーでは国家と資本を越えられない
新しいタイプの遊動民
このような遊動性では資本=ネーション=国家を超えることはできない
超える手がかりは狩猟採集民的遊動性である
それが交換様式D
交換様式Aがそうだったように「抑圧されたものの回帰」として強迫的に到来する
柳田は生涯、定住以前の遊動性に取り組んだ