上意下達とボトムアップのゲリラ戦
2017-10-05
tokoroten 上意下達とボトムアップを両立するツールが求められている。Chatworkはそこを目指しているように感じられるが、まだ上意下達寄り。メンバーとして使っていると、ジワジワとツラミが溜まってくる。どうしたら両立出来るかな nishio 少なくともサイボウズ社内では「グループウェア」がそれを実現するツールなのだが、顧客がどういう使い方をしてるかはマチマチなのだろうな。 tokoroten 電話会社の社内SNSでいろいろ書いていたら上司に呼び出され怒られ、社内ブログを作っていたゲーム会社で、社内ブログで好き勝手なことを書いていたら上司に呼び出されて怒られ。いまなら理由が分かる。社内SNSやら、社内ブログやらは上意下達を目的に導入されたので、目的外利用だった。 tokoroten「コミュニケーション=問題解決」という人々と「コミュニケーション=ポリティカルパワー、利害調整、人心掌握、コントロール」という人々がいる。後者の人々が、社内ツールの導入の意思決定をするので、社内SNSとかの訳が分からんものが導入されて過疎る。そこにSlackとかがゲリラ戦を ajiyoshi slackって無料プランと課金プランの設定が絶妙で、まさに現場でゲリラ的に使い始められるようにデザインされてるんだよなー。有料プランに移行する稟議をあげたくなる頃にはすでにたくさんの利用者がいる。 歴史
僕の歴史認識としては、サイボウズの初期のOfficeの時点で「掲示板」にコメントをつける機能が付いていた。これはボトムアップなコミュニケーションの場としての電子掲示板的用法。しかし、その後顧客からの要望で「掲示へのコメントを禁止する」というオプションが付いた。これは上意下達的用法。2000年くらいの話かな? 今の若い人は知らないかもしれないけど「BBS(電子掲示板システム)」がインターネット上のコミュニケーションに使われていた時代があったのだ。 1990年代前半、電子掲示板は、インターネットの普及前に全盛だったパソコン通信の主要なサービスの一つだった。
サイボウズが創業したのが1997年。当時すでにインターネット上で広く使われるようになっていたBBSを社内コミュニケーションに使おうと思うのは自然な発想。 しかし「掲示板」を「壁に紙が張り出されるもの」と捉えて、掲示にコメントが書きこめないようにしたい、と考える顧客がいたこともまあ当時の状況を考えると自然。
またある程度以前の年代の人には、コミュニケーションとは「特定の相手に伝えるためのアウトプット」(対話やメールのイメージ)であるのに対して、Web日記やブログ、Twitterによって「特に相手を想定しない、情報共有や思考の外部化のためのアウトプット」(ひとりごとや日記のイメージ)の形のコミュニケーションが普及した流れが絡みそう 社内SNSはSNSで行われているコミュニケーションを会社内に持ち込もうという発想で誕生したものだが、SNS上の個人が行っているように「個々人が情報発信をすることがよいことであるという文化」が機能するための前提である。
サイボウズのkintoneでは、全メンバーに(Twitter的な)ひとりごとの場がデフォルトで付属するようになった。社員からのボトムアップの情報発信機能を、自分たちが使っていて必要性を感じるからツールに組み込むし、実際に使い倒している。使い倒している立場からすると「個々人のひとりごとが起点となって社内で有益なコミュニケーションが行われる事例」は日々起きていていちいち数えることもできない(あなたは今までに食べたパンの数を覚えているのか?という感じ)