レバレッジメモ:ポモドーロテクニック入門
前書き
ScrumやXPなどでは「イテレーションあたりどれくらいの仕事を完了させたか」を計測する(ベロシティ)。 ポモドーロでは1日に「完了させたポモドーロの数」(=連続して25分間集中できた回数)を計測する。
ポモドーロは「集中することに集中する」方法論。
1章: 活動は1度に1つ
25分で予定したタスクが終わらなくてもそれは失敗ではない。
「25分集中した」という成功実績
複雑なタスクでも25分取り組めば何らかの知見が得られる。
着手前に悩むのではなく、
25分作業して、
それから休憩して、
それから次にどうするかを考えればよい。
タスクがつまらない時もやる気が減る。
タスクをこなす速度を上げるゲームだと思えばよい。
最初から100%完璧なものが作れるはずがない。
最初から完璧を目標にすることはおかしい。
2章
他人にやらされている感。
完璧でなきゃというプレッシャー。
失敗したり批判を受けたりすることに対する恐怖。
先送りをすると、一時的にこれらのストレスから解放される。
これが精神的な報酬になってしまうせいで「先送り」という行動が強化されてしまう。
借りれば借りるほど利息がついて苦しくなる。
ストレスは自分の内部から起こるもの。
3章
やるべきことを書くのではなく、
作業が完了したらどういう状態になるかを書く。
「アジャイルな見積もり」的に言えば
「タスクを書くのではなく、
ということか。
長すぎるTODOリストには意味がない。そこから適切なものを選ぶコストのことを忘れている。
「このプロジェクトは大きくて重要だ」という漠然とした思いではなく
長い、1日で終わらないTODOリスト
1日頑張ってそのうち数行が消えたとしても「達成感」が得られない。
精神的報酬が与えられない。
一日の頭に「今日やること」を選ぶことで、完了させた時の達成感が高まる。
自発的に設定したデッドラインで生産性を上げる。
デッドラインは多くの場合、
自分ではなく他人が設定したもので、
かならずしも都合よいタイミングでは設定されていない。
それでも多くの人が「締め切り間際は集中力が高く、生産性も高い」と感じている。
だったらその効果を毎日起こせるようにできないか?
仮想的な「Nowリスト」をイメージする。
これは1項目しか書くことのできないTODOリスト。
僕が付箋に1つだけタスクを書いているのはこれに相当するんだな。
付箋が1つの時はとても快適だし、増えてくると混乱する。
複数になったら「最優先」以外は一度見えなくしたほうがいいか。
最良の休憩は5分間のうたた寝
25分の途中で作業が終わってしまった場合にどうするか。
この本では
「やったことを見直す」
「学んだことを繰り返す」
「仕事を改善できないか考える」
「結論を紙にメモする」などを挙げている
が、どうだろう。
3分とかならそれも可能な気がするが、
25分掛かると思っていたものが15分で終わってしまった場合、
何をしたらいいか当惑して生産性の高い時間を過ごせない。
この場合はポモドーロを「見積もりミスで早く終わりすぎた」とでもして失敗マークにした方が良いのではないだろうか。
何をトラッキングするかは何を知りたいかによって決まる。
これはレバレッジメモなのでここに書かれていることの全部がポモドーロ本に書いてあるというわけではなく、読んで僕の脳が関連情報として引っ張りだしてきたものも含まれている。心の安寧とか、ストレスは自分が作るもの、というあたりは初期の仏教(考えない練習とか)からで、先送りという挙動が強化される云々は行動分析学(はじめての応用行動分析が良い教科書だけど、もっと手軽なのが良ければパフォーマンス・マネジメントがおすすめ)から。