リスク取る取らないは誤った二者択一
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fladdict: 「平均的な人間は、過剰に損失回避する」ので、周囲の人より二歩ほど踏み込んでリスクをとると、人生がすごいラクになるのでは?…という話をした。 fladdict: 損失回避バイアスにより、種としての人間は、適正なリスクリターンよりも過剰に、リスク回避を行う傾向がある。つまりチャレンジしなさすぎ、冒険しなさすぎ。ここまでは行動経済学によく出てくる話。 fladdict: その先をさらに掘って考えると… 平均的な人間が過剰にリスク回避するなら、その場にはリターンが過剰に残っている可能性が高い。なので、リスクをとった行動の利回りは、「他者の損失回避行動の分だけ論理パフォーマンスを上回る」の可能性がある(フィールドによっては)。 fladdict: なので、平均よりちょっとだけリスクを取る行為は、「適正値」プラス「グループの一番手のプレミアム」プラス「みんなの損失回避の取り残しプレミアム」などが色々と載るため、世で言われてる以上におトクだよね…という。 fladdict: で、じゃあリスクをとるなら、どういう風にリスクをとるべきか…? という話になるのだけど、これもいくつかコツがあると思う。
fladdict: これは「アクションを細分化し、数多く回す」が一番大事。小さい賭けを大量にやるほど論理値に近づく。逆に大きなビッグギャンブルは上振れ下振れが大きい。同じ期待値なら、小さいアクションを数多く回すほうが正しい。 fladdict: なぜ、「同じ期待値なのに、大きい賭けよりも、多数の小さい賭けをが大事か?」これは、あんまり教科書とかに載らないタイプの話だけど、リスクヘッジのコストが違うから…と考えてる。 fladdict: 大きいう単発の賭け(ブレる)は、リスクヘッジとして、大当たりと大外れと中途半端のシナリオに備えなければならない。それぞれ全然シナリオが違うので、リスクヘッジの対応コストが極めて高い…と考える。 fladdict: 一方で、無数の小さいギャンブルの連打(ブレない)は、パフォーマンスが中央値によるので、上振れも下振れもしない。つまり、その後の想定シナリオが限定される。リスクヘッジコストが極めて低い。同じ期待値や頻度なら、原則として小さいスイングの集積が望ましい。 nishio: 「当然そうだし、当然『多数派はそれに気づいてないか気づいても行動しない』ので、世界は理解して行動する人に有利だ」と思ってる nishio: 直接的に今回の話とイコールではないが、逆に言えば今回の話は当たり前に思い過ぎててコードで検証してなかったな… nishio: 例えば100人のエージェントと、ランダムに平均と標準偏差が決められた、正規分布でリターンを返す「投資機会」がある、エージェントをランダムに並べて先頭から順に自分が一番良いと思う投資機会を選ぶ、この「良いと思う」評価関数は平均と標準偏差を取る関数 nishio: この評価関数はシンプルに期待値+係数×標準偏差。エージェントをシャッフルして投資機会を選ぶことを何度も繰り返した時に、係数とリターンにはどのような関係が生まれるか nishio: これだと常に期待値が最大のものを選ぶエージェントのパフォーマンスが最大になりそうだな。それはなぜかと言うとシャッフルされた順番で選択肢を早い者勝ちで取ってるからランダムなシャッフルの時点で選択肢奪い合い競争の結果が出てしまってるからか hrjn: 「理解して」がすごく重要だと思うのだけど、なんでか世界はやる/やらないとかリスクをとる/とらないみたいな雑な議論に終始しがちなのは何かのバグだよなーと思うことはある。 hrjn: いわゆるhowの議論ばかりで、何がなされるべきかwhat、なにを達成すべきかwhyみたいにならないという。 https://gyazo.com/c04697a19de1d599bc8da437ee11bb78
nishio: リスクを避けてリターンも小さい多数派Aと、高リスク高リターンを選んだBと、そのBの高リターンを見て真似しようとしたが頭が足りなくて高リスク低リターンをやってしまうアホなB'がいて、そのB'のアホさを見てAがまた頑なにリスクを避ける。「リスクを取る取らない」の二分法に陥ってる。 nishio: うーん、この図だとAやBのお陰でCのリターンが増えることが表現できてないな… nishio: こういうことを言ってると「そのCのやり方を教えろよ」みたいなことを思う人が出るのだけど、そんなのをAやBに教えても中途半端な真似で失敗しがちで逆恨みされるのでCに取ってはデメリットしかない