モンドラゴン
従業員が経営に参画するモンドラゴン協同組合
資本主義の発展とともに、個別的には経済的な力が弱いために資本の力に圧迫されることを強いられる労働者、小生産者、消費者がそれぞれの立場での経済活動を協同化することで、その地位を改善しようという思想により、つくられた組織。一九世紀初頭の空想的社会主義者の一人オーウェンが協同組合の父と呼ばれる。具体的には、一八四四年にイギリスのランカシャのロッチデールで約三〇人の織物工が設立した販売ショップから始まる。この組合の活動が成功したことから、これにならって ①加入自由
②一人一票の民主的運営
③ 出資金への配当の制限
④剰余金の組合員への組合利用高に応じた分配
などのいわゆるロッチデール原則にもとづく消費組合が続々と設立され、ヨーロッパ各国から全世界へと広がった。今日では、スペインの少数民族バスク人による生産協同組合モンドラゴンが、資本制企業に対抗して、大規模に発展している。 企業セクターでは,労働者協同体は十分な勢力を拡大できなかった. 勢力を伸ばした組織は, 達成型 (オレンジ)と多元型 (グリーン) を組み合わせた慣行を取り入れて運営されているものが多い。 成功した事例としてよく取り上げられるのはモンドラゴンだ. 同社はスペインのバスク州モンドラゴンを基盤とする協同組合の集合体 (およそ250社, 従業員数は約10万人で売上高はおよそ150億ユーロ) だ すべての協同組合は従業員が所有している. リーダーは選挙で選ばれる. 賃金格差はほかよりも低い(とはいえかなり大きく, 1対9か, それ以上になる) .
臨時雇いの労働者には議決権がなく, つまり 「平等」 の程度が高い人たちと, そうでない人たちという2段式のコミュニティーができあがっている。
教育セクターでは, 大人の子どもに対する権威構造が存在しない学校のモデルがいくつか存在している.その筆頭に来るのが1920年代に設立されたイギリスの寄宿学校, サマーヒルスクールだ。同校は徹底的な形式の民主制度を実践している. 学生と教師が同じ投票権を持ち、とりわけ, 授業は強制ではない.
社会制度に目を向けると, 国際連合, 欧州連合(EU), 世界貿易機関(WTO) といった超国家的組織の多くは、そのトップレベルでは,さまざまな加盟国で民主的, あるいは全会一致で物事を決め、あるいは議長を交代制にするなど,少なくとも部分的には多元型 (グリーン) の原則に沿って形成されている. こうした多元型 (グリーン) の意思決定の原則を維持するのは難しく、豊かな国, あるいは力のある国ほど多くの投票権を要求し、 結局それが通りやすい(とはいえ明示的な投票権ではなく、暗黙の投票権となることが多いのだが). こうした機関のスタッフ部門はたいてい順応型 (アンバー) 組織として運営されている.
要約gpt.icon
この文章は、経済と社会における価値観の変化と、それに伴う新しいビジネスモデルの出現について説明しています。具体的には、ベビーブーマー世代とその子供たち(ジェネレーションYやエコーブーマーと呼ばれる)が、従来の「成功」の定義を変え、金銭以外の報酬を重視するようになったことから始まります。これらの世代は、素晴らしいチームで働いたり、仕事を通じて社会に貢献したりすることを価値あるものと見なしています。この価値観の変化は、トムズ・シューズのような企業によって象徴されています。この企業は、商品を購入するたびに発展途上国の子供たちに新しい靴を寄付するというユニークなビジネスモデルを採用しています。このモデルは、単に利益を追求するのではなく、「慈善の精神が根底にある営利目的の企業」と自己を位置づけています。
さらに、この文書は「モチベーション3.0」という概念を紹介しており、これは個人や企業が目的を最大化することに重点を置いている新しい動機付けの形態を指しています。この新しい動機付けは、社会的利益を目的とする団体、Bコーポレーション、L3Cなど、従来の利益追求モデルを再考するさまざまな組織の出現につながっています。モンドラゴン協同組合のような協同組合も、この変化の一部であり、利益最大化以外の動機を持つビジネスモデルとして、その重要性が増しています。文書は、こうした「目的」を持つ企業が利益を追求するのではなく、利益を利用してより大きな目的を達成しようとする新しいビジネスパラダイムの一部であることを強調しています。
「モンドラゴン協同組合」は古くからあるが、注目を浴びるようになってきたということnishio.icon
協同組合(コープ) ――以前から存在する、利益の最大化以外にも動機を持つビジネスモデル ... ライターのマージョリー・ケリーによると、コープの組合員は、過去三〇年間に倍増して世界中で八億人に達したという。アメリカだけでも、株式所有者よりも、コープに所属する人のほうが多い。コロンビアでは、「サルドコープ」は、人口の四分の一にあたる人々に健康管理サービスを提供している。スペインのモンドラゴン協同組合は、国内で七番目に大きい企業である」と、ケリーは指摘する。