マルチヘッドの思考
書いて考えるとき、まず頭の中にあるものを書き出し、それからそれを読んで思考がトリガーされる。 この時、書かれたものは一次元であった。書いた順の時系列に並び、最も新しいものが読まれ、その次の一箇所に新しいものが書かれた。「ヘッド」が一つであった。 「AIが毎日研究ノートを書く」システムの最初の実装もそうであった。最新のノートを読んで、次のノートを書く仕組みだった。その後「マルチヘッド」と呼ばれる実装に変わった。ヘッドが複数になるように拡張した。具体的にはAIが読んで書くページが複数になった。 振り返って考えると、人間の「書いて考える」はシングルヘッドの思考なのではないか。これがマルチヘッドの思考に拡張されるのではないか。今まで、その思考を実現できる文房具が存在していなかっただけなのではないか? 具体的には「書く」ための材料である断片をどんどんとベクトルインデックスに追加していき、AIが「読む」ことを可能にする。思考を進めるAIは直前に書いたものを元に、関連する断片をベクトル検索で発見し、読んで書く。人間はその書かれたものを読んで、要らないものを削り、何か思いついたら書く。
考えることと書くことが抱き合わせになっていた時代には、考えがまとまらずに筆が進まず止まっていた時間があった。マルチヘッド思考では、ヘッドが一つではないので、すぐに思いつかないなら次のヘッドに移れば良い。
2023-09-02 21:15 自分が最近やっていること、生み出しつつあるものに名前がついた。