ブロードリスニングにおけるインサイトの分類
フィードバック v1 2025-11-15
対立するアジェンダでの共通点の発見(uncommon ground)
Polis
いどばたビジョンはレポートで合意点・相違点を出すのでこの目的に使える
CartographerはPolis同様の賛成反対投票をする仕組みなので、同様につかえる(賛成反対投票の対象となる意見を人間ではなくAIが作るのが大きな違い)
ken: Cartographerは、まだ発表前なので、いどばたビジョンを追記しました。
総論的/抽象的な合意点だけ集まってしまいがち
思考実験: 例えばどんな議論をしていても「猫は可愛い」という意見を投稿したら両陣営から高い賛成を得て合意点として表示される。
この場合は議論のテーマと無関係であることが明瞭だが、無関係とは言えないような否定しようがない意見が同様に賛成を集める。例: 「人権は大事である」「子どもたちの幸福を損ねてはいけない」
2つの意見の間に両立しにくいトレードオフがあっても、両方の意見が賛成を集めて合意事項として抽出されて、レポートを受け取った実務者が「いや、無理だから」となる
ken: 結局、そういう矛盾する意見の中から新たな発見をするためには、プロセスを繰り返すインタラクティブな仕組みが必要で、モデレーターが難しい論点にアテンション、アジェンダを移して、その全体がsensemakingになるのでは。熟議民主主義的な方法はインタラクティブ性が最初からビルトインされている。
確かに。1回やって「人々は無理なトレードオフの両側を求めている」が観測事実になってから「この状況をどうすれば脱却できるか」という次のステージに進む感じですね。
特定の政策案やアジェンダへの意見収集
これは450人集めて10人ずつGoogle Meetをさせているが、もっと小規模にもスタートできると思う
デジタルツールでテキストを打つことにハードルがある人も参加できる
議論の録画やAI文字起こしを併用することで「アンケートをしても情報が集まらない」問題の解決になる
ken: これはブロードリスニングに分類するのがきがひけていて、フルでの熟議民主主義でブロードリスニングじゃないのではないかという気もする。どう思う?
直交する「熟議軸」と「ブロードリスニング軸」がある気がしました(深さと広さのトレードオフかも)
1つのプロセスが複数のフェーズから成り立っていることとで複雑にようにおもっていて、
450人の熱心な人を熟議に巻き込むことができたのは、手前に別の大勢が参加したブロードリスニングプロセスがあったからだと思います
もちろんマネをする自治体は最初からこの規模でできなくて、似た構造のもっと小さいものをすることになると思います
「新規データの収集」の場合では、影響力のある人が声を集める努力をしなくてはならない。
単一のデジタルシステムにアクセスを流すなら、という前提の話。
インタビュアーが街角でインタビューしまくるとか、タウンミーティングを開催するとか、多様な方法がデータ収集源にすることができる。
音声データがAIで文字起こしできるため今まででは活用できなかったデータを活用できるようになりつつある。
ken: 影響力があるかないかにかかわらず、「声を集める努力」が必要であるという表現にしました。
ブロードリスニングの課題
声の偏りを改善する方法ではない
大事!特にSNSなどのとりやすいところから取ることで偏りは発生するので「量の多さ」に注目するのではなく「自分の思い込みに反する意見クラスタの発見」に向いている(広聴AIの話)
大規模に収集された意見を分析するためのツールである。
中山心太(tokoroten)
市民が政治参加(何らかの議論に参加)をするためのハードルの一つが「全体像が分からない」ということである。そのため、全体像を短時間で把握し、議論の足場を固めることは極めて重要であり、分析やインサイトだけがゴールではない。
(みたいなことを本で書こうとしています。)
「分析」や「インサイト抽出」を目的としなくとも「把握」をするだけで、「民主主義への参加」が可能になる、ということに価値があるという論理です。
Ken Suzuki
主目的はあくまで「一人の人間が何百万人と対話することが可能」にする技術だが、副効果として熟議の土台になることも記述しました
これを見て僕の思考の発展↓
一人の人間が何百万人と対話することが可能になる
これは修正案というより文章に触発された連想ですが「一人の人間が何百万人と対話することが可能になる」というところは興味深いなとおもいました。
「対話」であるためには原文"And when broadcasting and broad listening are combined, they can enable one person to have a conversation with millions of people."にあるようにbroadcastingと組み合わせる必要があるし、書かれてはいないが聞くだけや話すだけではなくそれが交互に何回も繰り返される必要があります。
技術が何かを可能にしたとしても、それは必要条件の一つにすぎないなと感じました。broadcastで声が百万人に届く必要があり(百万人が見ることが可能なだけでは、百万人がアテンションを向けるわけではない)、broad listeningで百万人の声を聞くためには、百万人が声を投げかけてくる必要がある。(そのためには「投げかければ聞いてくれる」という信頼を百万人から得る必要がある。投げかけてきていないX上での会話をかき集めて可視化することも行われてはいるが)
ken: そうだね。そういう意味では、本来的なBroad ListeningはBroadcastingの組み合わせでかつ高速に繰り返されないといけないとenable one person to have a conversation with millions of peopleにはならないわけなので、ライブ配信技術を使って作りたなと思いました。