フードコートのたとえ
nishio: 来年度の未踏ジュニアに向けてプロジェクト提案書の見直しをしてたんだけど、やっぱり提案書の質問文だけでこちらが伝えたいことを伝え切るのは難しいという気持ちになってきた。別途ドキュメントが必要かな… nishio: 勘違いがないように補足しておくと、これはテストではないので「想定解や模範解答があって、それを書けば合格」というタイプのものではない、全くない。 nishio: 提案書自体が一つの「プロダクト」だし、それに「正解」は存在しない。ではプロダクトの良し悪しが何によって決まるかというと「市場」に、そのプロダクトに反応してくれる「顧客」がいるかどうかによって決まる。顧客の価値観は多様であるので同じものを見ても人それぞれ反応が違う。 nishio: 初めて来たフードコートで食べ物のお店がいっぱい並んでて、その中から一つ選ぶというところに似ている。メニューと料理は一致しない。しかし顧客はメニューを見て料理を選ぶ。メニューの写真が色褪せてて美味しくなさそうに見えると、選ばれる確率が減る。 nishio: 写真の見た目だけではなく、たとえば肉の焼ける香りやジュウジュウという音が顧客に伝わるようにしたり、サンプルの試食を提供したり、いろいろな方法で魅力を伝えようとする。顧客は美味しそうな料理を全部注文するのではなく、自分の腹具合と相談して食べられる量だけを注文する。 nishio: たとえば刺身にマヨネーズを掛けた料理に関して「なんでマヨネーズを掛けたんだ、刺身には醤油だろ!」と思う人と「刺身にマヨネーズ?面白そう」と思う人とがいる。ここは人それぞれ。だけども「なぜマヨネーズを掛けたか」に関して「醤油が切れてたから」とか「美味しいって漫画に書いてあった」より nishio: 「実際に作って食べてみたら美味しかった、そこからマヨネーズの種類をいろいろ変えたり独自にブレンドして、より一層美味しいレシピを生み出した、だからこの刺身マヨネーズはオススメです!」と言われた方が、食べてみようという気持ちが起こりやすい。 nishio: で、これは「醤油が切れてたからマヨネーズを使った人」には語ることのできない、実際に試行錯誤した人だけが語れることなわけだ。だからそれを語ることが「試行錯誤してない人」に対する差別化の要因になる。なのに語ってないと「えっ、もったいない」となるわけ。 nishio: この件に限らず、面談で話を聞いてから「それ提案書に書けばよかったのに、もったいない」ってコメントすることがしばしばあるので、おそらく提案書に書かなかったことが原因で面談に進みそこねてる人がいるはずで、それはもったいないことだと思う。 関連