フェデラリスト
著者たち(第10篇を執筆したのはマディソン)によれば、純粋な民主政とは、市民が直接集まって政府を運営する国家です。このような国家では、人々の共通の利益や感情が協力と団結を生み出しますが、反面、多数派によって少数派の利益が犠牲にされることがあります。古代の都市国家がそうであったように、激しい党派争いも起こりがちです。結果として民主主義の国家は不安定であり、個人の安全や財産権を保障することができないと説きます。
これに対し、共和政とは代表制を取り入れた政治体制を意味します。結果として、間接民主主義を通して選ばれた少数の市民が政府を運営します。そのような市民は、国にとっての真の利益、すなわち公共の利益をよく理解しているでしょう。さらに、純粋な民主政は小国にしか向きませんが、代表制を取り入れた共和政ならば、より大きな国家においても実現可能です。 このようにして『ザ・フェデラリスト』の著者たちは、純粋民主政ではなく、共和政こそを選ぶべきだと読者に奨めるのです。
派閥の定義: 共通の利益や情熱に突き動かされ、他者の権利や公共の利益を損ねる集団。
原因の除去の難しさ: 派閥の原因を取り除くには自由を奪うか、人々の意見を画一化するかしかないが、どちらも不可能・不当。
効果の制御: よって重要なのは派閥の「影響を抑える」ことであり、マディソンは大きな共和国(連邦制)によって、多様な利害を併存させ、単独派閥が支配しにくい体制を築くことを提唱。 代表制の利点: 小規模の直接民主制だと多数派の専制が起こりやすいが、広い地域と多数の代表者を含む大きな共和国なら、派閥の結託を難しくし、公平な政治が行われやすくなる。 このように、「大きな共和国による多様性の確保」と「代表制を通じた公共の利益の追求」が、マディソンの提示する派閥への解決策となっています。