コスパの良い知識は習得容易な知識ではない
コストパフォーマンスの良い知識とは習得が容易な知識ではない。習得後にそれを使いたおしてハイパフォーマンスを出せる知識のことである。
wakatono: 多分コスパのよい~ではなくROIを大きくできる~が正しい。で、ROIを大きくする方法は、リターンが決まっていない場合は、リターンを大きくすべく、獲得した知識や技能を仕事でひたすら使い倒すこと。これに尽きる。 注目されててかつ習得容易な知識は参入障壁にならないんだから、身につけても競争上の優位は築けない。 source-----
TomoEqual: 未経験者の多くが無駄な勉強をしたくない病にかかってる気がする 言語も資格も興味の有無より需要や将来性ばかり気にして、その結果よく分からんインフルエンサーや、業界を俯瞰出来てない声の大きい人に振り回されてるんじゃないかなと 興味ある事に没頭してる人の方が採用では有利だと思いますけどね wakatono: 未経験者だけでなく、わりかし多くの人にこの傾向見られます。特に知識や技能の習得にコスパの良さを声高に求める人は、この傾向が顕著。 コスパを求めるのが悪いとは言わんけど、修得のコスパの良い知識や技能は、裏を返すと多くの人がやることであって、それだけやっても何か差がつくとは思えない。 wakatono: 「興味あることに没頭している人のほうが有利」とあるけど、多くのケースで「なぜ有利なのか?」を説明していないのではないかと感じた。 もちろん「興味あることに取り組む」ほうが、義務的もしくはなんとなくよりも全然マシだけど、自分なりの経験を踏まえて、ここの説明を試みることにする…。 wakatono: 「興味あることに没頭している人のほうが、採用では有利」とあるけど、よく言われるのは「興味あることに没頭してる人は、やる気や修得の度合い、仕事のできぐあいが違う」てなあたり。 でも、特定の分野や技術、領域が「なぜ興味あること」になるのか?を考えたほうがよいような気がしてる(続く)。 wakatono: 特定のことが「興味あることにつながる」ためには、自分が持っている価値観や取った行動/持つ知見と特定のことの間に、接点を見いだす必要があると考えてる。 オレは、「サイバーセキュリティ」が「興味あること」の1つだけど、これはネットワークやOSの技術が関係するからと感じてる。(続く) wakatono: これだけだと技術面だけの話になるけど、攻める/守るの話になると、ちょっと違う経験が挟まってくる。同人誌即売会の混雑対応を以前やった時、適切な対応のため、サークル参加や一般参加の方々の思考や情報をもとに、彼らがどういう行動を取りうるか?を、ある程度見通さないといけない。(続く) wakatono: 混雑対応って、「場の安全」をどのようにして確保していくか?という話を、サークルという点からブロックという線、そして会場という面にまで拡大して考える必要がある。さらにそこに、「人が集まるサークル/ブロック」という特異点の話が入るので、対応時にはかなりアタマを使う。(続く) wakatono: さらにオレの場合は、「(もう20年以上前だけど、実際に自分ちのマシンに攻撃をされた」&攻撃の入口を見つけた経験があって、当時はそういう仕事をしていなかったけど、「こりゃセキュリティきちんとしないと」というようになった。20年前のセキュリティ屋のお仕事、想像できます?w(続く) wakatono: ここまで書いてきたのは全部自分の例だけど、別にセキュリティが儲かるとかこれから伸びそうという意識ではなくて、「持ってる技術」「類似の経験」「痛い目見た経験」ってのがあって、サイバーセキュリティの領域に興味を持てている、と考えている(これ以外にもあるだろうけど)(続く)。 wakatono: モチベーションが「カネ」「出世」というのはあるのかもしれないけど、少なくともオレは、技術屋としてモチベーションを上げられたのは、それまでに積み上げた知見とセキュリティという分野が交じるところが少なからずあったから(そして共感できたから)、と考えてたり。 wakatono: じゃあその前の「ネットワーク」「OS」はなんで?という話だけど、これは「他のコンピュータと通信するためにはどういうやり方があるのか」「コンピュータがなんで使いやすく動かせているのか」という、わりかし技術の根源的な方向に興味があったから、としか言いようがない。(続く) wakatono: あと、インターネット経由での情報共有手段に興味があって、いろいろ調査したり、補助モジュールを実装していた、というのは、ネットワーク(特にWebDAVプロトコルやIPsec)への興味と、OSの実装(特にWindowsの実装)が大きく寄与していたりする。(続く) wakatono: 当然、モジュール(ソフトウエア)の実装と公開を行うってあたりでは、OSSやフリーソフトウェアへの興味ってのがあって、これも実際に実装・公開(gzipの移植)をやってた過去があったから抵抗なくできたし、gzipの移植も「自分に必要だからやった」としか言いようがない。(続く) wakatono: ちなみに通信に興味を持ったのは、アマチュア無線の存在が大きい(何かを教わったというよりは、通信というファクタには、何かを変える力がある、と感じ取ったのが大きい)。OSについては「自分でもなんとかできるかも」というのをMinix1.2を見て感じ取ったのが大きい。(続く) wakatono: アマチュア無線自体は、親戚の人がやってて「これかっけー!」と子供心に思ったのが、多分原体験。もともと機械いじりとか好きだったし、電気製品の説明書読むのとかも全然苦にならなかったので、そちら方面はわりかしすんなりハマった。 wakatono: 個々の具体的なモノについては、今の人たちにはあまり参考にならない気がするけど、自分がカッコいいと思った/必要だからやった/自分が使いたいから調べた、というのが原体験にあった、というのはなんか参考になるかもしれないです。(了) wakatono: で、「自分がカッコいいと思った/必要だからやった/自分が使いたいから調べた」の背景に共通するのは「興味を持った背景/ストーリーがある」てこと。 「カネ/出世」をはじめ、仕事に関わるからってだけでは、その技術なりを修得する動機になる強い背景/ストーリーがなく、結果薄い関わりになる。 wakatono: 背景やストーリーに裏打ちされた強い興味を以て、技術に取り組んでいる人たちを知る者としては、コスパ良く技術を修得したいとかレベルの薄い関わりしか持たない(持つ気がない)人たちが、一体どこに行きたいのか?何を成したいのか?てのを疑問に思ってたりする。 mimura1133: 王道を求める空気感は感じていて、そんなのないと思いながらも、ただそれに対する返しが見つからなかった。 「修得のコスパの良い知識や技能は、裏を返すと多くの人がやること」 うん、まさしくこれなんじゃないだろうかと。 twitter.com/wakatono/statu… mimura1133: 何となく補足すると、 よく「自分は無能なのに周りのリソースを無駄に消費してて」という悩みもセットで聞くことが多いんですが、 その悩みを持てる人は基礎が有能な人だし、怖がって焦らなくても、少しずつやっていれば理想像に行けるので王道を探さなくても良いと思うんです。 mimura1133: 周りに勝負好きだったり、自分と同じスキルを要求(もしくは初心者像が高い)人がいると、相対的に自分が不安になってバグるけれども、気楽にいられる友人とか場所見つけて、自分の好きなだけ取り組むのがな王道な気がする。 ところで私も「自分は無能」とよく思うのですが、あれは超難問ですな。。( wakatono: ちなみに、(オレは使わないけど)「コスパの良い知識や技能を~」ということ自体が間違いなのではないか?とも思う。 知識や技能の修得は、それを使って身を立てるなら、投じる時間や費用は「投資」。 知性や技術を活用して生きていくなら、多分コスパのよい~ではなくROIを大きくできる~が正しい。 wakatono: で、ROIを大きくする方法は、リターンが決まっていない場合は、リターンを大きくすべく、獲得した知識や技能を仕事でひたすら使い倒すこと。これに尽きる。 mimura1133: まさしく、いまそれを返信しようかと思っておりました(笑) 「コスパのよい~」と「ROIを大きく~」に表現される世界の違いを区別出来るかがキーと感じていて、 どちらも ROI といえばそうなのですが、前者だと「投資額の最小化」に主眼が行きそうですが、重要なのはその後の「使い倒し」ですよね。 mimura1133: 言うなれば「お料理教室で美味しい料理を作る」は、コスパよく出来るんですが、「気に入った料理を作る」や「今の具材で美味しい料理を作る」となった時には、先ほどの ROI のような考え方(使い倒し)が必要ってところでしょうか。 目指す像や、実際に必要なのは後者では? と。 wakatono: ここは気の持ちようかなとも。 トレーニングを提供する側は、獲得が見込まれる知見や技能を設定するけど、それらをどう活用するか?は、参加者のその後の行動に委ねられる。 投じる時間やお金を投資にするかコストにするかは、知見や技能をどう使うか?を(参加者なりに)目論見を立てることで決まる。